7月1日から、レジ袋の有料化が開始する。小売事業者にとって、リピーターを失うことになりかねないレジ袋の価格設定。果たして消費者は、いくらまでレジ袋にお金を払っていいと思っているのだろうか。日用品流通の情報基盤を運営するプラネット(東京都)の調査によれば、1円単位の価格設定の違いで、その許容度が大きく変わることがわかった。レジ袋の“適正価格”はいくらなのか。
7月1日、容器包装リサイクル法が省令改正されることに伴い、全国すべての小売店で原則としてレジ袋が有料化される。これにより、マイバックを利用する消費者が増えると見込まれるが、普段から持ち歩く消費者ばかりではないだろう。
リピート客をどれだけつくることができるかという点は、小売店舗にとって、長期的に店舗が存続できるかどうかを決める重要な要素のひとつ。レジ袋の価格が1円違うだけで大きな不満を持たれ、ライバル店にお客を取られてしまう、なんてこともあるかもしれない。
では、消費者はレジ袋にいくらまでなら払ってもよいと考えているのだろうか。プラネット(東京都)が調査企画し、全国4000人に対象とした消費者意識調査(実施期間:2020年6月1日~3日)の結果を見ると、消費者のレジ袋価格へのシビアな意識がわかった。
「レジ袋1枚に払ってもいい金額」を訊いた質問への回答を図表にまとめた。レジ袋1枚に払って良いと思える金額は、「3円まで」で全体の60%となり、「5円まで」で88.3%を占める。6円を超えてもいいと考えている消費者は全体の11.6%であり、「0円」、つまり「1円も支払いたくない」と回答したのは全体の12.8%だった。
「払っていい金額」の平均値は5.3円。中央値(データを小さい順に並べたときに、中央〈真ん中〉に位置する値)は3円と、消費者のレジ袋価格に対するシビアな態度が浮かび上がってくる調査結果となった。
本調査からは、消費者は1円単位でレジ袋価格を評価していることがわかった。レジ袋の価格設定が店舗への集客に対して継続的な影響を与えるか未知数だが、小売店舗としては、慎重に価格を決めていく必要がありそうだ。
<調査概要>
株式会社プラネットが調査企画した「レジ袋とマイバック調査」について、「アイリサーチ」(株式会社ネオマーケティングが運営)を通じて、全国4,000人からインターネットでアンケート調査を行った。2020年6月1日~3日にかけて実施し、回答を得た。
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