国内外で出店拡大へ! ヘアカット専門店「QB HOUSE」の”基本戦略”とは?
5年間で100億円増、海外出店も拡大
過去10年の業績を振り返ると、コロナ前は営業利益率が売上対比で8~9%の水準を維持していたが、コロナ禍に業績が大きく落ち込んだ。コロナ明けの23年6月期には価格改定により、一時的に営業利益率が回復したものの、25年6月期はDXへの投資や国内出店の加速、海外拠点の設立による先行投資がかさみ、減益となる見通しだ。今後はDXによる効率化などを通じて、営業利益率を10%まで引き上げたい考えだ。
今期から5カ年の中期経営計画をスタートした。最終年度となる29年6月期には、連結で売上収益355億円、営業利益34億円に拡大する目標を掲げた。国内事業では国内の店舗体制を現状の約1.3倍の716店とする目標を掲げ、年間来店客数2000万人をめざす。海外事業も100億円規模の主幹事業に育てたい考えだ。
国内では現時点で首都圏(1都3県)に300店以上を展開している。すでに出店している都道府県においても、既存店に加えて800店以上の出店余地があるとみている。内訳は重要出店エリアである北海道(札幌)、東北(仙台)、関東(東京・神奈川・埼玉・千葉)、東海(愛知)、関西(大阪・兵庫・京都)、中四国(広島・岡山・香川)、九州(福岡)で500店、それ以外の出店エリアで300店としている。

国内事業では29年6月期に店舗売上高268億円の達成をめざす。並行して人材の採用、育成体制の強化にも注力する。コロナ禍では駅ナカ立地で打撃を受け、この3年間は店舗の統廃合を進めてきたが、今期からは新規出店を再開した。
DX戦略としては、待ち時間の短縮と接客の質向上を目的とした新たなモバイルアプリを現在開発中だ。前回来店時の履歴や施術内容の「見える化」により、よりパーソナライズされたサービスを実現する。来期から一部店舗で試験導入し、順次全国に広げていく計画だ。
海外事業は02年からスタート。05年に進出した香港では現在60店を展開しており、シンガポール、香港、台湾、米国、カナダ、ベトナム、マレーシアの7カ国・地域で計134店舗を展開している(25年5月末時点)。
24年8月にはカナダに進出し、25年7月上旬には2号店の出店を予定。中期経営計画でも「海外事業の強化」を掲げており、ベトナムでは25年1月にホーチミンのイオンモール・タンフーセラドンに1号店を出店。5月にはマレーシアのジョホールバルに1号店を開いた。台湾は来期から台南や高雄にも展開エリアを広げる。米国ではニューヨークに6店舗を構え、今後は同市内で多店化し、ドミナントを形成することで他都市への進出を図る。
同社は、事業の原資となるスタッフの採用・育成および社内の制度改革を強化することで離職率を下げ、国内では新規出店の加速と価格改定による安定成長を図り、海外では新規国への進出と既存国での事業拡大に取り組む。これらを両軸に、売上高の増加と利益の回復をめざす。






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