カクヤス、社名を「ひとまいる」に変更! その名に込められた意味と今後の成長戦略

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

自社の配送網を活用し宅配代行に参入!

 カクヤスは、物流を主軸としたプラットフォーム化を、25年から始まる3カ年の中期経営計画「TRANSFORMATION PLAN 2028」の柱に据える。この戦略の実現に向け、今後はMA(合併・買収)やアライアンスの形成を通じた事業領域の拡大を視野に入れる。20年に買収したグループ会社の明和物産(東京都/徳村健社長)ではすでに、宅配事業の強みを生かし、乳製品に加えて食材や調味料といった非酒類カテゴリーの取り扱いを開始。今後はアライアンス先との連携も視野に入れつつ、ペットフードなど新たな商材の導入も検討していく。

 また、自社の配送網を活用した他人物配送(他社商材の宅配代行)にも取り組む計画で、一般消費者向けに幅広い商品を届けるインフラの整備を進める。

社長兼 CEO 前垣内洋行氏

 前垣内社長は「地域密着と多品種対応を同時に実現する、他社にはないサービスモデルをめざす」と語る。従来の酒類の即時配送に加え、明和物産が担う食品配送、グループ会社で生鮮食品の配達を担う大和急送(埼玉県/森山雅司社長)との連携を図る。今後は、販促・受注・配達・決済を一体化し、グループ外の事業者に対してサービスを提供する。

 店舗を含めた配送拠点については、253月末時点で全国にグループで約250拠点(店舗を含む)を展開。今後は関西・九州エリアへの進出や、札幌・仙台・名古屋・広島といった政令指定都市への出店も視野に入れる。

 前垣内社長は「この3年間を基盤構築の期間と位置づけ、30年には売上高2300億円をめざす」と述べた。計画実現に向け、DX関連を含む設備投資として3年間で35億円を投じる予定だ。なお、283月期の連結目標としては、売上高1700億円、営業利益40億円を掲げる。

 

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記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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