低価格メガネチェーン全盛時代に パリミキがハイブランド勝負で大幅増益の理由
売上中心主義から感動体験へ大きく転換
「目先の業績よりも徹底すべきは、来店したお客さまに、ご家族やご友人に勧めたいと思っていただけるかどうかだ」として、恒吉氏は、これまでの売上中心主義から顧客中心主義へ大きく方針を転換することを決断した。
「予想以上に良い、価格以上に価値のある買物ができた、と感動いただくことが一番でなければいけない。そこでしっかりと信頼関係ができれば本質的なつながりが生まれ、次のお客さまを紹介してくださる。つまり結果として売上もついてくる」(同)
遡ること25年前、00年代初頭の同社は、パリミキグループ全体で800億円の売上があった。業界で圧倒的な首位を誇り、2位とも倍以上の差をつけていた。ただ、その後業績は低迷し、一時は約1200店舗以上あった店舗も現在は612店にまで縮小している。
「目標売上を達成するために、私自身、お客さまが求めるニーズを超えるような商品をご提案することになった経験もある」と話す恒吉氏は、その反省を生かし、顧客中心主義へと大きく舵を切ったのだ。自ら全国の店舗を練り歩き、売上は二の次、顧客が本当に必要としているものを提案し、感動体験を提供してほしいと伝え続けた。その考え方を基軸に導入したのが、NPS(ネット・プロモーター・スコア)評価だ。
NPSスコアが高くなると再来店、1年以内のリピート率が高くなる。逆にNPSが低いと売上は厳しくなる傾向がある。そこで、スコアが平均以下の店舗をまずは平均に押し上げる取り組みを急いだ。
「以前からお客さまアンケートは実施していたが、あくまでも紙のアンケート。1店舗で起こったことをすぐに全店に水平展開するといったことはできていなかった。NPS評価を導入しお客さまの声を店舗運営に即リアルに反映させる体制を整えることで、この2年間お客さまにしっかりとアジャストとするという文化をつくり上げてきた」(恒吉氏)
挨拶の仕方や具体的な接客方法についても、全社スタンダードとなる接客基準を新たに定めた。さらに、「顧客満足推進部」を新設し、全国のブロックマネージャーが参加してNPS評価のアップに取り組んだところ、店舗の売上も順調に伸びてきているという。






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