経常利益はコロナ前の3倍!ラウンドワンに行きたくなる“2つ”の戦略とは

2024/10/10 05:56
堀尾大悟
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円安・インフレを追い風に米国事業が絶好調

ラウンドワン米国44号店ペンブロークレイクスモール店
米国44号店のペンブロークレイクスモール店(フロリダ州)

 一方の海外事業に目を向けると、とりわけ近年では米国での業績が爆発的に伸びている。2024年3月期の米国での総売上は595億円、経常利益は112億円。経常利益率は18.9%と国内事業(14.1%)よりも高い数字だ。

 店舗数も年々増えており、2016年は9店舗、2018年には21店舗だったが、2019年には32店舗、2024年には50店舗と、国内事業とは対照的にかなり積極展開している姿勢がうかがえる。

 利益率が高い要因として、岡本氏は「コロナ禍が明けたときに、初期コストを回収し終えて利益が一気に顕在化したのが大きい」と語る。ラウンドワンのビジネスモデルは、先に施設や設備の初期投資を行い、利用料金などの売上で回収するもの。コロナ禍の間でも積極出店を続けていたことで、コロナ禍が明けて集客が回復すると、コストを一気に回収し利益が積み上がる構造になっていたのだ。

 もう一つ、外部要因として大きいのは昨今の円安とインフレだ。「インフレ環境で値上げも積極的にできるようになった。値上げは1.4倍、かつ為替レートも1.3倍くらいになっているので、利益水準は2倍以上に伸びている」(岡本氏)

 さらに、米国は出店しやすい環境が整っていることも積極展開の追い風となっている。主な出店用地はシアーズ、メイシーズ、J.C.ペニーといった大手百貨店の跡地が多いという。

「百貨店跡地は、大きなところでは面積が約3000坪ある。当社としては1400坪くらいあれば出店できるので、全部または一部のフロアをお借りすることで一気に出店数を伸ばしていくことができた」(岡本氏)

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