顔認証のみ夜間無人で24時間営業の三洋堂書店、なぜ売上あがった?
無人化、24時間化の成果は ?
夜間の無人営業を組み合わせた24時間営業を実施して約3か月。早くも成果につながっている。加藤氏によれば、4月の前年同月比で売上は約5%アップしたという。営業時間を伸ばしたとはいえ、必要最小限のコストしか投下していないことを考えれば上々だろう。
利用時間の傾向は、通常営業の開始数時間前と終了したあとの数時間が多いという。この結果から、本屋で本を買いたかったが、店舗が閉まっていたことで購買機会を消失させていたことが伺え、「スマート無人営業」がまさにそうしたニーズをすくい上げることに成功したといえる。
本はいまや、アマゾンを筆頭にECでいつでも、手軽にすぐに購入できる。だが、思い立ったその時に、実物を買えるメリットは本好きにとってはECとは比較にならない魅力だろう。
実際、24時間の無人営業店舗利用者には、深夜帯になってようやく自由時間を確保できた人がゆっくりと実物を手にしながら購入するケースもあるという。欲しい本を見つけたが、書店は営業が終了している。しかし、買うなら実物を手に取って確認したいというニーズはしっかりとある。