行列の時間を買うテーブルチェック ファストパスは飲食業界を変えるか
手数料は390円~2,000円で18か国語に対応
テーブルチェック ファストパスが利用できるのは2024年5月20日時点で19店舗。ミシュランガイドでビブグルマンの評価を獲得している「中華そば 銀座 八五」など、行列の絶えない人気店が名を連ねる。
優先案内の利用受付フォームには、店舗の公式サイト、InstagramをはじめとするSNS、グーグルマップなどから遷移させることができる。来店日時・人数を入力し、クレジットカード情報を登録して予約すれば、手数料が支払われるとともに申込手続きは完了する。なお前出の「中華そば 銀座 八五」は、ミシュランガイドの公式サイトからも優先予約ができる。
手数料は現状の導入店舗では390円~2,000円。金額は店舗側で決められる。キャンセルされた場合も返金されず、プラットフォームを提供するテーブルチェックとレベニューシェア(収益分配)される仕組みだ。そのため結果的にファストパス利用客が現れなかったとしても、収益が0円になってしまうことはない。
インバウンド復活で訪日客が増える中、多言語に対応している点も特長で、18か国語に対応している。言葉の壁によって生じるトラブルや機会損失を避けられ、店舗とゲストの双方がメリットを享受できる。
現状の利用者は日本人8、外国人2の割合で、香港、台湾、アメリカ、韓国、オーストラリア、シンガポールからのインバウンド客が目立っている。政府がインバウンドを推進し、2025年までの訪日外国人旅行者数をコロナ前の2019年水準である3188万人超えとしている追い風もあり、「食」を目的に来日する人はますます増えることが見込まれる。
「会社を設立した2011年頃は、外国からのゲスト受け入れに難色を示す店舗も少なからずあった。それが今や逆。外国人観光客を集客する相談を数多く受けている」(谷口社長)
実際、ラーメン店をはじめとする行列店を見ると、並んでいる人の半分ほどが外国人といった店も多い。顧客として無視できない存在であることは確かで、テーブルチェック ファストパスが秘めたポテンシャルはまだまだ高い。谷口社長は、次の打ち手を考えているという。