離職率が下がり店長の負担も減少 多拠点ビジネスの生産性を高める「ABILI Clip」とは
店長が複数店舗を兼務可能に
ABILI Clipの具体的な使用シーンを紹介する。
たとえば、飲食チェーンの場合、接客の方法は、店長など熟練者がお手本を見せて教えるのが従来のやり方だ。一方、ABILI Clipによる動画の仕組みを利用すると、店長が直接教えなくても、スマホやタブレットさえあればいつでも理想的な接客方法を学ぶことが可能で、繰り返し練習もできる。
高橋氏は、「人が人に教えるOJTでは、お互いの時間を拘束するだけでなく、指導者によって教え方が変わることでサービス品質のバラつきが発生し、顧客満足度や業績の低下につながる。人によるOJTに置き換えてABILI Clipを活用すると、そのバラつきがなくなる」と話す。ABILI Clipが大手のチェーン店に採用され、着実に実績を積み重ねている理由はここにある。店長によるOJTが不要になり、時間に余裕が生まれることで、一人の店長が複数店舗を見られるようになるのも大きなメリットだ。
ABILI Clipでは、誰に何を学習させるかは本部側で設定する。接客方法を学ぶ場合、学習者は動画を見て練習を行い、自らの実践を撮影し、その動画をアップロードして本部に報告する仕組みも備わっている。動画の配信は、接客に限らず幅広く活用するケースが多く、全系列店88店舗でABILI Clipを導入し、約3,000名の従業員が登録されている回転寿司チェーンを展開する銚子丸では、経営理念や衛生管理、調理技術、清掃などの店舗業務などを学べる370本の動画を用意している。
「すし銚子丸では、学習のモチベーションを上げるために、学習状況に応じて認定ランクがアップするユニークな仕組みをつくった。その結果、Webサイトに寄せられる顧客アンケートで、導入後3か月間の接客スコアが前年同期比で10%程度増加したという報告が寄せられている」