決定!「第2回サステナブル・リテイリング表彰」 オイシックス、アークス、セブンの施策が受賞
セブン、日立製作所、リコー
サンデン・リテールシステム
東洋エンジニアリングの
5社の連携が受賞
表彰企画第2回の今回は、企業間連携による表彰枠を設けた。応募施策のなかでも高い評価を得て、「企業間連携賞」を受賞したのが、セブン-イレブン、サンデン・リテールシステム、東洋エンジニアリング、日立製作所、リコー(セブン-イレブン以外の企業はあいうえお順)による「先進的な省エネ・創エネ・蓄エネ設備を備えた新たな環境負荷低減店舗の挑戦」だ。
セブン-イレブンは、親会社のセブン&アイ・ホールディングス(東京都)が掲げるCO2排出量削減の目標達成に向けて、複数店舗で環境負荷低減を図るための実証実験を重ねてきた。そして23年2月にその最新店舗「セブン-イレブン三郷彦成2丁目店」(埼玉県三郷市:以下、三郷彦成2丁目店)をオープンした。
セブン-イレブンら5社が評価されたポイントは、5社で連携し、次世代型の環境負荷低減店舗の創造に成功している点である。各社の先端技術を搭載することで、「省エネ」「創エネ」「畜エネ」を追求し(図)、三郷彦成2丁目店では、13 年度比で店舗の購入電力量は約 60%、CO 2排出量は約 70%の削減を見込んでいる。
たとえば「創エネ」では、リコーが複合機開発で培ってきた技術を生かし開発した4種類の次世代太陽電池の効果を検証する。このうち店舗外壁面に設置した「ペロブスカイト太陽電池」は低照度から高照度まで、さまざまな環境でも安定した発電が可能だ。リコーの次世代太陽電池を実際の営業店舗に搭載するのは初めてとなる。
企業間連携を実現する
各社のリーダーシップ
セブン-イレブンの店舗数は全国で約2万1000店を超え、この店舗網はすでに社会インフラにもなりつつある。
三郷彦成2丁目店は実験店舗ではあるが、食品小売業とメーカーで連携し社会にとっても重要な存在であるコンビニ店舗をイノベーションしていく姿勢、また、複数企業と技術連携を図ることで従来よりも大きくサステナビリティを実現する次世代店舗を創り上げている点が支持され、今回の受賞に至った。
加藤孝治氏は「こうした最先端技術を搭載した店舗開発は大手企業だから可能な部分がある。そんな大手企業として、社会インフラを革新していくという気概が感じられる。サステナビリティ活動でスコープ3(事業者の活動に関連する他社の排出)まで企業の社会的責任が求められるようになるなか、今後、企業間連携は必要不可欠となる。そうしたなか、今回の5社のように企業間連携を実現していくリーダーシップがより重要となってくる」と指摘している。