わさび離れ進むなかチューブわさびで連続売上増!万城食品のマーケティング戦略とは
多角的な視点で考える「わさび懇話会」
さらに昨年11月にはわさびについて多角的な視点から考える「わさび懇話会」を発足させた。2回目は3月に開催。9月には3回目の会合が実施される。岐阜大学の山根准教授、東京・目黒の懐石料理店・八雲茶寮の梅原陣之輔総料理長をアドバイザーに迎えたほか、料理家、卸売関係者など多方面から人を招き、知見を得て、これからのヒントにしていこうと取り組んでいる。
海外での展開も拡大中で、東アジア、東南アジア、アメリカ、ヨーロッパの市場に商品を供給している。アジアでは主に日本から進出するカテゴリーキラーと取引。国ごとの食材規制にあわせて配合などを工夫しながら、日本国内と同じように商品を卸している。また三代氏によると、ヨーロッパでは「イギリスのロンドンでサンドイッチ店の一角にすしを販売するコーナーができている」し、「生魚を食べなかったドイツでも、駅などの売店ですしを見かけるようになった」。そこにも万城食品の商機が広がっている。
日本原産の本わさびを軸として、さまざまな可能性に挑み、時代にあわせて販路や商品をアップデートしていくことで、チューブわさびで2年連続での売上増を記録した万城食品。市場が縮小傾向にある業界を生き抜くヒントとして、これからの取り組みも注目される。