新規事業続々!ナルミヤ・インターナショナルが自社開発するアパレル以外の子供用品とは

2023/08/10 05:59
野澤正毅
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子供写真館の展開、自社ECサイトの「子供用品のポータルサイト化」など、子供服専門店大手のナルミヤ・インターナショナル(東京都/國京紘宇社長)は、次々と新規事業に向けた布石を打っている。海外進出も虎視眈々と狙う。その背景には、縮小する日本の子供服市場への危機感がある。國京紘宇新社長に、新規事業の現状や今後の取り組みについて、率直に語ってもらった。

余力のある今こそ、新規事業の種蒔きが必要

ナルミヤオンライン
ナルミヤオンライントップ

――ECについては、子供服市場では自社サイト「ナルミヤオンライン」の集客力が圧倒的に高いので、自社ブランドだけでなく、ライバルである他社ブランドも集積して、「子供用品の総合ECモールにしたい」と、石井稔晃前社長は語っていました。

國京 自社サイトをブランドショップではなく、“セレクトショップ”にするという構想ですね。おっしゃるように、引き続きナルミヤオンラインの拡充、総合化は進めていきます。子供服をワンストップ・ショッピングできるなら、他社ブランドも買えるようにしたほうが、お客さまにとって便利です。一方で、単独ブランドを展開している競合他社にとっても、当社のサイトに出店すれば、知名度や販売効率のアップにつながるなど、メリットは大きいはずです。さらに、アパレルだけでなく、ベビーカーやおもちゃ、離乳食といった、さまざまな子ども関連のアイテムを一堂に集め、子供用品のポータルサイトにできれば、新しいビジネスモデルに発展できるかもしれません。

――石井前社長が以前、「子供服のテイストで、“大人服の新ブランド”も作りたい」というアイデアも語っていたようにナルミヤは新規事業に積極的な印象があります。本業の子供服が好調ななか、新規事業に力を入れる理由はなんでしょうか。

國京 子供服事業が好調でも、それに安住していては、先細りになってしまうからです。日本の子供服市場は今後、少子化によって確実に縮小していきます。むしろ余力のある今だからこそ、新しいビジネスの種蒔きをして、次世代の経営の柱を育てなければならないのです。例えば、ソニーは、かつてオーディオ&ビジュアル機器のメーカーとして世界市場を席巻しましたが、実はその頃にはすでに、既存のビジネスモデルからの脱却を図っていました。そうした経営戦略が奏功したからこそ、現在は音楽などのソフト、金融、半導体がソニーグループの新たな三本柱になっているわけです。当社も幸いなことに、子供服事業は現在、キャッシュを生んでくれているので、それを新規事業の投資にどんどん回そうと考えています。

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