大手ドラッグストア企業の2019年度業績が出揃った。前年度まで売上高トップだったウエルシアホールディングス(東京都:以下、ウエルシアHD)を抜いてツルハホールディングス(北海道:以下、ツルハHD)が首位に躍り出たほか、コスモス薬品(福岡県)が第3位に浮上した。
ツルハHDは2000店舗を突破
大手ドラッグストア企業の2019年度業績が出揃った<表>。
売上高第10位のカワチ薬品(栃木県)を除く9社が増収となった。2ケタ増収となったのはツルハHDとウエルシアHDの2社だった。
2019年度のランキングでは、前年度まで売上高トップだったウエルシアHDを抜いてツルハHDが首位に躍り出たほか、自力出店で売上高を伸ばしたコスモス薬品が第3位に浮上。サンドラッグ(東京都)とマツモトキヨシホールディングス(千葉県:以下、マツモトキヨシHD)はコスモス薬品に抜かれ前年度から順位をそれぞれ1つ落とした。
スギホールディングス(愛知県:以下、スギHD)、ココカラファイン(神奈川県)、富士薬品(埼玉県)ドラッグストアグループの順位は前年度から変わらず、減収だったカワチ薬品は1つ順位を下げて第10位。同社を抜いてクリエイトSDホールディングス(神奈川県)が順位を1つあげて第9位となった。
店舗数ではツルハHDが最多で2082店舗。ウエルシアHDが1874店舗、マツモトキヨシHDが1654店舗と続く。
次のページは
マツキヨ・ココカラ連合で勢力図はどう変わる!?
ココカラとマツキヨが経営統合に向けて協議開始
売上高首位のツルハHDとウエルシアHDの売上高の差は約33億円ある。
そしてココカラファインの“縁談話”が前進したことで、2020年度の売上高ランキングはまた首位が交代しそうだ。
ココカラファインは8月14日にマツモトキヨシHDとの経営統合に向けて協議を開始すると発表した。
ココカラファインのニュースリリースによると、「(1)当社の具体的な経営課題を克服する解決方法として、当社のみで実現することは容易ではなく、他社と統合することが適切であること。(2)マツモトキヨシホールディングスとの統合により、店舗作業の効率性やプライベートブランド商品の開発などについて、大きなシナジー効果が生じる可能性があり、それらのシナジー効果をより効果的に発現させることにより、当社株主が保有する株式の価値が最大化する可能性があること。(3)当社の中長期的な企業価値及び当社株主の利益の向上に資すること、また、経営統合を現時点で実施することについての合理的な理由も存在すること」の3点が決め手になったようだ。
マツモトキヨシHDとココカラファンの直近の業績を単純合算すると売上高は9765億円とダントツの規模となる。店舗数は3008店舗とこちらも2位以下を引き離してダントツだ。
マツモトキヨシHDとココカラファインのように、大手ドラッグストア企業同士の経営統合が進めばドラッグストア業界の勢力図が大きく塗り替わる。ナショナルチェーンを志向するほかの大手ドラッグストア企業が合従連衡に動くかどうか注目だ。