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ウエルシアHD池野隆光会長が、大手ドラッグストア同士のM&Aがさらに続くと考える理由

ウエルシアホールディングス(東京都)は7月8日、東京都内で2020年2月期第一四半期決算説明会を開催した。現在注目が集まるココカラファイン(神奈川県)の“縁談話”を念頭に、「大手ドラッグストア企業同士のM&A(合併・買収)については、まだまだ案件が出てくるだろう。数年で上位企業への集約が進んでいく」との見方を示した。

※2019年7月8日開催の決算説明会(2020年2月期第1四半期)の池野隆光会長の発言を抄録したものです

まだまだ大きなM&A案件が出てくる

 「2018年度のドラッグストア業界の推定市場規模は72744億円、店舗総数は2228店舗となった。こうした成長トレンドはもう少し長く続くだろう。ドラッグストア業界の成長の要因としては、食品の強化、調剤併設の推進、インバウンドなどが挙げられる。ドラッグストアの強み、つまりさまざまな商品カテゴリーを扱っていることが成長の大きな要因だと考えている」

  「大手ドラッグストア企業同士のM&Aの話題がある。大きな経営統合の案件は今回出てきただけではなく、今後も続くだろう。まだまだ大きなM&A案件が出てくると考えている。したがってドラッグストア業界は数年で上位企業への集約が進んでいくと予測している。また、個人経営の保険薬局は相当数減ってきていると言われているが、今後の調剤報酬・薬価改定とともにどんどん減っていく可能性が高い。事実、そういうふうなことを見聞きしている」

  10年後の人口動態を見据え、医療の分野がどう変わっていくのかを考えて、『一緒にやっていこう』ということになれば、現在、調剤をやっているかやっていないかに関わらず、ともに取り組んでいきたいと考えている。もともとそんな考えがないという企業と一緒になってもあまり意味がない」

  「大手ドラッグストア同士の大同団結の流れになったときに、(吸収合併等をせずに)持ち株会社傘下で並列に事業を展開することはあり得るだろう。ただ一緒になればいい、という話ではない。めざす方向性がある程度一致しないとダメだ。何のために一緒になるのか、何のために大きくなるのかについての考え方が合致するのが大事だ。ウエルシアホールディングスは、単に規模を拡大すればいいというような統合は、あまり考えていない」

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イオングループの中で“金の卵を産み続ける鶏”でありたい

イオングループの中で“金の卵を産み続ける鶏”でありたい

ウェルシアホールディングスの池野隆光会長

 「ではウエルシアHDはどこに向かっていくのか。10年後の人口動態を見据え、最も適切な手を今から打っておくのが基本的な考え方だ。すでに改革に着手している。その1つが調剤業務の質の転換だ。薬剤師の監督のもと、調剤アシスタントを育成し、国が推進する在宅医療へのシフトに対応できるようにしていく。薬剤師が店の外に出ていける環境をつくろうと今まさに教育を開始したところだ。このことは結果として、調剤の効率化、コストの低減、収益の向上につながると考えている」 

 「ウエルシアHDは何のためにビジネスをやっているのか。そういった企業の価値を認識し、目的をしっかりと持った企業でありたい。お客さまに愛されるためには、社会の問題に対して積極的に取り組んでいく必要がある。ウエルシアHDは自分たちの立ち位置を明確にして、イオングループで最も収益力の高い企業、イオングループの中で“金の卵を産み続ける鶏”でありたい」