日本チェーンドラッグストア協会の池野隆光新会長が語るドラッグストアに突き付けられた課題と未来
ドラッグストアチェーンの団体である日本チェーンドラッグストア協会(神奈川県:以下、JACDS)は6月3日、第20回通常総会・理事会を開催し、新会長にウエルシアホールディングス(東京都)代表取締役会長の池野隆光氏を選出した。JACDSは新体制のもと「尊敬される企業集団」をめざす。池野氏の就任挨拶をまとめた。
宗像守先生がいないのは大変残念
平成から令和に変わったまさにそのとき、JACDSの20周年記念式典が開催されたことは喜ばしいことだと思っている。ただ、この場所に故・宗像守先生がいないのは大変残念だ。
ドラッグストアはこの20年間で飛躍的に成長し、総売上高は7兆円を突破した。店舗数も2万店を超えさらに拡大しているところだ。
いま私たちは10兆円産業化をめざして邁進していることは承知の通りだ。しかし、JACDSが企業集団として成長することだけでは評価されない時代が来るのではないかと考えている。つまりJACDSが成長するほど、社会のさまざまな問題解決や社会との共生をめざすことを要求されるのではないか。生活者に社会的責任を持つことを期待されるようになると考えている。
JACDSは新たな10周年に向けて、SDGs(持続可能な開発目標)を前面に押し出して、実践するドラッグストア企業集団に変化していく必要がある。そのことが持続的な成長をするドラッグストア企業集団の未来の姿だと考えている。いち企業では効果の出にくい、社会のさまざまな問題解決を、メーカーや卸売業、各団体の皆さまと力を合わせて協力し、知恵を出し合うことができるようしていきたい。
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ドラッグストアが受け皿になる、予防・治療・介護の領域