「BEYOND TOFU」の相模屋食料代表が語る、ヒット商品への道を開く2つの視点
機能性だけではさみしい
使命は「食をより楽しく」
--国内での今後の事業展開についてもお聞かせください。
鳥越 2022年3月には「BEYOND TOFU PIZZA 2.0」という商品を発売しました。ピザ生地はもっちりした油揚げで、上にトッピングしているBEYOND TOFUは、通常販売しているシュレッドタイプよりもチーズ感の増したものを使用しています。このとろけるBEYOND TOFUに粘性を持たせて、さらに伸びるようなものができないかという研究も進めています。
現在、「うにのようなビヨンドとうふ」は、生産が間に合わないほどのヒット商品となっています。和の世界のBEYOND TOFUが表現でき、好評いただいているので、こちらの方向性も進めていきたいと考えています。例えば白子のような豆腐などいかがでしょう。クセになるような味わいのシリーズも、BEYOND TOFUのひとつの柱にしていきたいです。
--プリン体を気にせず楽しめるのがいいですね。
鳥越 もう思い立ったら吉日。私たちはコンセプトや戦略をまとめて……、というのが全くないからこそ、幅広く新しい商品を開発できるのです。商品は「おいしいこと」「お客さまが求めていること」の2点をしっかり考えながらやっていけば、道は開けると思っています。
--最後に鳥越社長がこれから食の未来でめざすものは、どんなことでしょう。
鳥越 豆腐業界として、やっぱりお豆腐の魅力をどんどん広げていきたいと思っています。いまは自社での動きになっているので、これが業界を巻き込んだ動きになればいいなと思いますね。
食品業界としては、大企業が完全食を開発するなどさまざまな動きがあり、機能性に重きが置かれ、食がややさみしい食べ方へ向かいがちだと感じています。
そうした中で、「思いきって食を楽しくすること」は、中小企業の私たちができることですから、日本の伝統を大事にしながら、栄養を摂ることに終始しない、豊かな食の未来を作っていきたいと思っています。
【媒体紹介】
食のビジネスメディア「FoodClip(フードクリップ)」
クックパッドが2020年に開始したWeb専門の食ビジネスメディア。
食トレンドや、市場・企業動向の記事をはじめ、クックパッドのデータを活用した生活者レポートのサブスクリプションを展開しています。https://foodclip.cookpad.com/