営業利益率20%超!驚異の飲食チェーン「コメダ珈琲店」の本店を訪ねる

2024/04/29 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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2022年10月に建て替えられた本店

 店舗の前に立つ。本店だと思うからか、堂々たる風貌は自身に満ち溢れているようだ。上方に視線を移すと屋根には「KOMEDA’S COFEE」の立体的な看板が。

堂々たる本店の外観。その風貌は自信に満ち溢れているように見える
屋根には「KOMEDA’S COFEE」の立体的な看板

 本店のオープンは1977年。22年10月には建て替えによってリニューアル、旗艦店としての機能を強化した。なお創業店は名古屋市の別の場所にあった菊井店で、すでに閉店している。

 入店すると数組の先客がおり、設置してあるベンチに座って待機。15分ほど経ったところで窓際のカウンター席に案内された。柔らかそうなイスは深く座れる。テーブルは隣の席とパーテションで区切られており、1人の世界に入れる感じだ。

先客がおり、ベンチで待機する。壁には「1968」と創業年を記したプレートが掛かっていた

 本店に来たのだからと限定メニューを探したが、店員に聞いても「ない」とのこと。気を取り直して「ナポリタン」「アイスコーヒー」、そして「シロノワール」を注文する。ちなみにシロノワールは、全部食べる自信がなくミニサイズにした。

ナポリタンのほかアイスコーヒー、さらに人気のシロノワールはミニサイズを注文

 店内は、テーブル、階段はじめ木を多く使っているほか、茶色をベースにした色使いで、全体的に落ち着く感じがする。コメダ珈琲店の公式サイトを見ると、「コメダ流のおもてなし」として、「お客様1人ひとりの“くつろぎ”に寄り添った心からのおもてなし」とある。なるほど、確かにその方針を確かに感じる。

柔らかそうなイスは深く座れる。隣の席とパーテションで区切られており、一人の世界に入れる感じだ

 しばらくして私の前にナポリタンが届けられた。フォークを使って早速いただく。パスタの固さが絶妙で、これが最高。濃厚なケチャップで味付けしてあり、とてもおいしい。時々、アイスコーヒーを飲みながら、ゆっくり楽しむ。

柔らかそうなイスは深く座れる。隣の席とパーテションで区切られており、一人の世界に入れる感じだ

 食後に来たのはシロノワールのミニ。最初に食べた時と同様、温かいデニッシュと冷たいアイスクリームの組み合わせが楽しい。夢中になって食べ、フィニッシュした。

 周りのお客に目をやると、PCを持ち込み動画を見ている人、ゆっくり読書している人、友達と楽しそうに話をしている人など、各人各様に楽しんでいる様子。まさにこれがコメダ珈琲店の魅力なのかもしれない感じた。

温かいデニッシュと冷たいアイスクリームの組み合わせが楽しいシロノワール

 店を運営するコメダホールディングスの業績を見ると、営業利益率は驚異の20%超*(2024年2月期第3四半期業績)。お客の回転率を上げることだけが利益を獲得生む方法ではない。非効率が効率を産むこともできるのだ。そんなことを考えながら、私は帰路についた。
*編集部註:同社はフランチャイズチェーン(FC)のため、直営で運営する外食チェーンよりも売上収益が小さく出るため、営業利益率は高くなる傾向にある。同社のFC比率は94%と業界内でも格段に高い。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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