多様な価値観が入り交じる大阪・西成エリア、人を惹きつけてやまない西成グルメで一杯
前回の「検証! 大阪・西成の安宿はビジネスの出張に使えるのか?」では、現地に宿泊、問題なく仕事ができることを証明した。今回はその続編で、宿を飛び出して“一杯やる”という企画だ。仕事のみならず、お酒も驚くほど捗る街、西成──。さあ、まずは周辺エリアを歩くところからスタートしよう。
外国人観光客も多い新世界
格安ホテルが多い西成の「あいりん地区」からほど近い人気の観光地といえば「新世界」(大阪市浪速区)だ。大阪メトロの動物園前駅、JR、および南海電鉄の「新今宮」駅から北へすぐの場所にある。
串カツや立ち飲み屋など、ビジュアル満点の「ジャンジャン横丁」を抜けると、そこはもう「ザ・大阪」。派手な看板、建物が立ち並び、期待通りの景色が広がる。平日でも多くの人で賑わい、とくに外国人観光客の姿が目立つ。アジア系だけでなく、欧米系の人も珍しくなく、海外からの注目度の高さをうかがい知れる。
新世界のランドマークは、言うまでもなく「通天閣」。テレビでもお馴染みで、思わずスマホのカメラを向けてしまう。周囲を見ると、皆、笑顔である。この場には、
西へ進んで堺筋を南下、JR新今宮駅の北側にあるのは、星野リゾートが運営する「OMO7」(大阪市浪速区)だ。労働者の街、「あいりん地区」の至近にある高級ホテルで、2022年4月の開業時、大きな話題となったのはまだ記憶に新しい。
新今宮駅前から東に向くと、11月24日の「麻布台ヒルズ」(東京都)の開業によって“日本で2番目に高いビル”となった「あべのハルカス」が見えてくる。ふと横を見ると、ドンキの看板が目に入るが、ここ大阪ではなぜか地味に感じる。
次に、宿泊したホテルがある「あいりん地区」を散策した。ホルモン焼き、うどん店、お好み焼き店などが点在しており、有名店を探しながら歩くのも楽しみ方のひとつだ。
紀州街道をしばらく南下すると右手に出てくるのは西成警察署。かつて西成で暴動が起こった際、ここに多くの労働者が集まっていたニュース映像を見たのを思い出す。高い柵に囲まれた異様な姿に圧倒される。
近くには、YouTuberも時々、訪れている通称「三角公園」(萩之茶屋南公園)。炊き出しが定期的に行われるほか、さまざまなイベントも開かれている。あちこちに目に付くのは労働者風の男性で、明るい時間から飲酒している人も多い。
人気の観光地、高級ホテル、労働者の街。ひとつの価値観だけではうまく説明できないのが西成エリアの特徴であり、魅力なのかも知れない。