なぜ、フランスで韓国料理が人気なのか? ブームの背景と今後の可能性に迫る
日本の食品における新たな可能性
ここまでフランスでの韓国料理の広がりについて述べてきたが、最後に、日本の食品輸出拡大に向けた示唆について触れたい。
第一に、映画やドラマといった魅力的なコンテンツの持つ影響力の強さの活用だ。単に食文化を紹介するよりも、映画やドラマの日常的なシーンで食事が映し出されて自然に描かれる方がより多くの視聴者の印象に残り、食への興味を喚起しやすいと言えるだろう。
実際、日本の漫画をきっかけに、三角形のおにぎりやラーメン、お弁当文化が世界中で広まったという事例がある。今後さらに、世界に誇る日本のコンテンツを食品輸出ビジネスに効果的に活用する方策が求められる。
第二に、本格的な日本料理だけでなく、レンジ調理や付属のソースを混ぜるだけで完成するような、簡便な調理済み食品の輸出だ。ターゲット層のライフスタイルや嗜好に合わせた価格帯の商品を広く展開していくことが重要だろう。
これらの取り組みにより、日本発のさまざまなコンテンツとともに、日本の食文化が世界中の人に親しまれることを願っている。
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