福岡のソウルフード「ごぼう天うどん」に見た、うどんの奥深さ
うどんの奥深さを知る
店内を観察すると、スーツを着た会社員やドライバー風の男性、友達同士の女性、家族連れなど、客層は幅広い。総じて着飾らず、気軽に利用できる店のようだ。
女性スタッフが水とメニューを持ってくる。メニューを決めようとざっと目を通すと、どれもすごく安い!
大好きな「ごぼう天うどん」はなんと税別390円!「えび天うどん」「肉うどん」は同440円である。もう少し値上げしてもいいのではないか、と大きなお世話をしたくなるほどの価格設定である。なお、「そば」は80円増し。
それらのうち、私は「人気No. 1」の「肉ごぼう天うどん」を頼んだ。価格は同570円。それに「いなり」同70円を1個つける。何度も申し訳ないが、ホント安すぎですよ。なお「人気No.2」は「肉増しうどん」同640円、「人気No.3」が「肉磯辺天うどん」同540円。
7〜8分ほどして私の目の前に料理が届けられた。見てください、この期待感が高まりまくるルックスを。
汁の色は資さんうどんよりも、やや濃い感じ。そこにうどんが入り、ごぼう天、そして甘辛く煮た肉、さらに少量のネギが乗っている。
早速いただく。まず汁、次にうどんという順番で食した。資さんうどんと比べると、味はほんの少し濃いものの、京都人の私でも塩辛い感じはしない。うん、うまい。続けてうどんを食べたが、汁、さらに肉の香りがしてとても美味である。
汁、麺、具と、うどんを構成する要素は全国共通だろう。だが、土地が変わればこうもアプローチが違うというのは、料理とは奥が深い。「英ちゃんうどん」の「ごぼう天うどん」は、これまで食べたものとは一味違う、荒削りながら、どんどんとこちらに入ってくる味。もし近所にこの店があったら、高頻度で利用するだろう。
さて、この「英ちゃんうどん」だが、検索すると福岡県内にぽつりぽつりと店を確認できる。しかし、まとまった情報を載せるWebサイトが見当たらない。暖簾分けで店が増えたのか、フランチャイズチェーンなのか、また本部があって直営店があるのか。経営形態が不明で、ミステリアスな感じがまた気に入った。
いずれにせよ、福岡県に行く機会があれば、ぜひ「ごぼう天うどん」を体験してほしい。