京都人はパンをよく食べる?激戦区で人気絶大のベーカリーショップ名店を探訪_過去反響シリーズ

森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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歴史ある壬生寺でパンを食べる

 パンを入れた紙袋を携え、歩くこと約10分。私は壬生(みぶ)寺に到着した。

店員に人気商品を聞き、3種類のパンとドリンクを買った

 壬生エリアには幕末、新撰組の駐屯地があった。この壬生寺も、新撰組が訓練場として使用していたと伝わる。境内東方にある池の中の島は「壬生塚」と呼ばれ、幕末の新撰組隊士の墓がある。歴史ファンには一度は訪れてほしい場所だ。

パンを入れた紙袋を携え、新撰組ゆかりの壬生寺へ

 私はこの寺で、同じく歴史ある、まるき製パン所の各種サンドをいただこうと急に思いついたのだ。

 境内のベンチに腰掛け、最初に取り出したのは「ウインナードッグ」。さっそく頬張る。パンにカレー風味に炒めたキャベツとソーセージが入っているのだが、たったこれだけでおいしいんだわ、これが。

境内でパンを食べる。最初に取り出したのは「ウインナードッグ」。これがおいしいんだわ

 次は「サラダロール」である。商品のPOPには「新鮮なレタス・トマト・きゅうりとたっぷりのポテトサラダをはさみました」とあった。一口食べる。うん、うまい。いやぁ、感心します。

次は「サラダロール」。POPには「新鮮なレタス・トマト・きゅうりとたっぷりのポテトサラダをはさみました」と書かれていた

 ラストは「オムレツロール」。多めのキャベツに、小ぶりのオムレツが入っているだけの簡単な構成。ほぼ予想通りの味なのだけど、とても美味である。

ラストは「オムレツロール」。多めのキャベツに、パンに小ぶりのオムレツが入っている

 実は後日、私はまるき製パン所を再訪問している。なぜなら壬生寺を訪れた日は、人気アイテムを購入できなかったからだ。行った時間が悪く、すでに売り切れていた。店員のお姉さんに売場に並ぶ時間を確認、日をあらためてリベンジを果たそうと考えた次第である。

 購入できなかった、人気アイテムのひとつは「ハムロール」。キャベツとハムが入っているだけなのだが、具材とパンの組み合わせが絶妙で、いくらでも食べられるおいしさだ。

人気商品の「ハムロール」(下)と「ニューバード」

 2つめは「ニューバード」。カレー味のドーナツ生地に厚切りハムを挟み、揚げてある。これは、確か今いくよ・くるよさんも、おすすめしていた記憶がある。

 断面写真をアップするが、ここのパンは、前述の通り、非常に素朴である点で共通する。変な言い方だけど、他の店が模倣できないか?と言われれば、マネできそうな気もする。それでも、不思議と買って食べたくなるのが、このパンの魅力と言える。なぜなのだろうか。

パンの断面写真。見ての通り、非常にシンプルだ

 断面を見ても、解明できないおいしさの秘密。シンプルなだけに、そこにパンづくりの奥深さがあるのだろう。最新のベーカリーショップもいいけれど、京都に来た時はぜひ一度、まるき製パン所に立ち寄り、味を確かめてほしい。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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