ITFコードとは?普段よく見るバーコードに似ているけど別のもの?ITFコードについて徹底解説!

読み方:ITF
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ITFとは

ロジスティクスイメージ
ITFとはバーコードの一種で、事業者間取引の物流で使用されている集合包装用商品コードを指す。 i-stock/imaginima

 ITFとはバーコードの一種で、事業者間取引の物流で使用されている集合包装用商品コードを指す。事業者間取引の場面では、個商品を段ボールに詰めて「集合包装」として配送するが、外装の段ボールにITFコードを印刷し、入出荷の登録や仕分け、在庫管理での商品識別コードとして利用している。

 ITFコードは、国際標準ではGTIN(ジーティン)14と呼ばれ、米国およびヨーロッパの物流統一シンボルと互換性を持つ。ITFは、ITF-14とITF-16の2種類が存在していた。GS1 Japan (一般財団法人流通システム開発センター)が、ITFを2005年に国際取引に整合する14桁のITF-14に統一したため、現在「ITF-16」は使用されていない。

 なおITFは、Interleaved (インターリーブド)2of5の略称である。ITFコードは5本のバーで一文字を表し、5本のバーの内に太いバーが2本配置されているところからInterleaved 2of5とネーミングされている。また、ITFにはITFコード、ITFシンボルなど複数の表現方法があるが、ここではITFコードに統一する。

物流現場で使われているバーコードの種類

 物流業界で使用されているバーコードには、一次元シンボルと縦横の二方向に情報が格納されている二次元シンボルがあり、ITFコードはJAN(GTIN-13)コード、GS1-128、GS1データバーと同様に一次元シンボルに該当する。

 ITFは主に一般消費財の事業者間の取引に伴う物流で使用され、物流センターなどの自動倉庫、コンベアラインなどで自動読み取りに対応して使用されるケースが多い。GS1-128も事業者間の取引に伴う物流で使用されるバーコードで、品質保持期限日、正味重量、ロット番号などの属性情報も表示、きめ細かい商品管理やトレーサビリティ制度への対応ができる。

 JANコードは消費者が購入する個別商品それぞれに付けられており、店舗のPOSレジで使用されているポピュラーなバーコードである。GS1データバーもPOSレジで使用されており、商品の識別に加えGS1-128と同様に様々な属性情報を表示、きめ細かい商品管理への対応ができる。

ITFコードはJANコードを反映している

 ITFコードのバーコードは、1桁目はインジケータと呼ばれる梱包形態の区分を表す数値、末尾の14桁目はチェックデジットと呼ばれるコードの誤読み取りをチェックする数値が置かれている。2桁目から13桁目までは、JANコードのチェックデジットを除く12桁が反映され、ITFコードは14桁で構成されている。

ITF使用のメリット

メリットのイメージ
ITFコードのメリットは、他のバーコードと同様に集合包装された商品情報をスピーディー、かつ正確に読み取ることができ、人手をかけずに入出庫管理の効率化が可能となる点である。

 ITFコードのメリットは、他のバーコードと同様に集合包装された商品情報をスピーディー、かつ正確に読み取ることができ、人手をかけずに入出庫管理の効率化が可能となる点である。

 ITFコード固有のメリットは、印刷されたバーコードの識別機構がシンプルな構造となっており、バーコードリーダーとの距離が多少あっても読み取りが可能なことである。ベルトコンベアやフォークリフトに載せたままで読み取りができるため、利便性が高く作業効率が高い。

 また集合包装用にはダンボールが使われるケースが多いが、これは印刷精度を上げるのが難しい材質でもある。ITFコードの場合は、求められる印刷精度がJANコードなどに比べると緩やかに設定されており、印刷精度の汎用性の高さもメリットとなる。

ITFコード使用のデメリット

 ITFコードに求められる印刷精度は緩めとなっているが、反面、誤読み取りが発生しやすいというリスクがある。バーコードを斜めにスキャンした場合に、最初と最後の桁を認識できない桁落ちや部分読みと呼ばれるエラーを生じることがある。ただし、これらのエラーは、スキャナーの設定で対処が可能である。

ITFコード利用場面と今後の展開実例

 ITFコードは、そのメリットを生かして、メーカーや卸、物流センターで商品管理ツールとして幅広く利用されている。利用場面としては、入出庫時の数量と商品の種類をバーコードで確認、読み取ったバーコードはデータ化され在庫管理にも活用されている。

 現在のITFコードは、商品本体の姿を示す情報に限定されている。そのため一部のメーカーでは、賞味期限や有効期限などの日付を示すバーコードの表示が独自に進められているが、表示方法が標準化されておらず、作業効率の改善が課題となっている。そのため、一般財団法人流通システム開発センターでは、日付情報等をバーコード化する際の標準化について検討を始めている。具体的にはGTIN(商品識別コード)と併せて、日付情報やロット番号などを組み合わせたGS1 QRコードを段ボールなどの集合包装に表示する方法である。詳細は、「ケース単位への日付情報等のバーコード表示ガイドライン」に示されている。

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