リージョナルチェーンとは?リージョナルチェーンの実例とメリット、デメリットを解説!
リージョナルチェーンとは
リージョナルチェーンとは、二つ以上の商圏でローカルチェーンを展開しているチェーンストアを指す。ひとつの地域を商圏とするローカルチェーン、全国の商圏を対象に展開するナショナルチェーンの中間に位置する。
それぞれのチェーンストアの明確な定義づけは無いが、業界の認識として、ローカルチェーンは同一県内の複数市町村をカバーする地域を商圏とする事業者を指す場合が多い。なおローカルチェーンと認められるための目安は、対象とする商圏で11店舗以上が営業していることである。一つの商圏で店舗を展開するのがローカルチェーンであるが、新しく他の地域でローカルチェーンを展開すると二つ以上の商圏をカバーする事業者となり、リージョナルチェーンへと発展する。この場合、展開地域は必ずしも隣接する必要はない。
なおナショナルチェーンとは二つ以上の商圏でチェーン展開している事業者であると一般に認識されている。
リージョナルチェーン利用者のメリット
リージョナルチェーンの利用者にとっては、地元チェーンとして信頼性が高く、安心して買い物ができるというメリットがある。チェーン店として同じ地域内に多くの店舗が展開しているので、いつでも同じ物が買えるという安心感もある。
また地元の地域ブランド商品を取り揃えている店舗が多く、日常生活に密着した買い物が可能となる。さらに限定された地域を対象としているため、家庭の歳時などに個別対応したDM、チラシなどタイムリーな案内を受けることができる場合もある。その他にも地域内で利用できる共通クーポンやポイントの提供、チェーン店が主催する地域のコミュニティ活動に参加できるなど様々なサービスが利用できる機会も多い。
リージョナルチェーン利用者のデメリット
リージョナルチェーンは、ナショナルチェーンに比べると全国的に有名なブランド商品の品揃えが少ない場合もある。また新商品の導入やキャンペーンがナショナルチェーンに遅れるなど、売場の充実度に差が見られることもある。ただし、買い物の目的によりナショナルチェーンとリージョナルチェーンを使い分けることで、このようなデメリットは軽減できる。
リージョナルチェーンの実例
一般社団法人全国スーパーマーケット協会に加盟している企業の中で、リージョナルチェーンの定義に近い地域密着型のチェーンストアは331社、1万572店(2021年5月)となっている。その中から、二つ以上のローカルな商圏エリアをカバーしているリージョナルチェーンを3例紹介する。食品スーパー(SM)のマルキョウ(福岡県)、コノミヤ(大阪府)、ドラッグストア(DgS)のゴダイ(兵庫県)である。
マルキョウは福岡県大野城市に本社を置き、九州北部を中心にSMを展開、福岡県54店舗、長崎県16店舗、その他に佐賀、熊本、大分の各県にも数店舗を出店している(2021年5月現在)。同社は2017年に東証一部上場のリテールパートナーズ(山口県)に経営統合され、事業子会社となった。
コノミヤは大阪市鶴見区に本社を置き、SMと外食事業の経営を事業目的としている。大阪本社とは別に名古屋市緑区に東海事業本部(旧ハローフーヅ、コノミヤが吸収合併した)を設け、大阪府43店舗、愛知県20店舗、岐阜県18店舗、その他奈良県、兵庫県、京都府の1府2県で8店舗、全国で89店舗を営業している。同社は大阪市と堺市へ救急車を寄付したり、複数の出店地域で災害発生時における応援協力に関する協定を締結したりするなど、地域貢献への取り組みが多く見られる。
ゴダイは兵庫県姫路市に本部を置き、ドラッグストア「ゴダイドラッグ」76店舗、薬局「ゴダイ薬局」51店舗、高齢者介護事業6店舗、化粧品特化型店舗(アズビー)3店舗など、近畿および中国地方で多様な事業を行う。ドラッグストアは、京都府14店舗、兵庫県53 店舗、鳥取県4店舗、岡山県5店舗の計76店舗。なおドラッグストアは、200坪~400坪の広さを持つ郊外型タイプの店舗で展開をしている。