デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?デジタル化やデジタライゼーションとは何が違う?徹底解説!
デジタルトランスフォーメーションとは
「DX」という言葉を聞かない日はなくなった。このDXはデジタルトランスフォーメーションの略称である。デジタルトランスフォーメーションとは、「デジタル技術を通じて生活やビジネスを革新させること」を意味する。言葉自体を直訳すると“デジタル変革”だが、意味するところは“デジタル革新”の方がより近い。
デジタル化やデジタライゼーションとの違い
デジタルトランスフォーメーションは、デジタル化やデジタライゼーションとはコンセプトが異なる。デジタル化をバネに、既存の業務プロセス・ビジネスモデルを革新してしまう、「仕事とはこういうもの」という価値観そのものすら変えてしまおうというのがデジタルトランスフォーメーションのコンセプトだ。
一方、デジタライゼーションとは、ビジネスプロセスや業務工程の一部または全部をデジタル化することを意味する。たとえば、営業の外勤交通費精算に関して考えてみる。従来は紙の伝票でやりとりしていた精算を、モバイルを使った電子申請に変更するだけなら単なるデジタライゼーションだ。
さらにモバイルで電子申請できるなら、営業担当は申請のためにオフィスに出社する必要がなくなり、得意先に直行直帰できる。車で外回りしているなら、営業車も駐車料金の高いオフィスに置く必要もなくなる。経理スタッフの仕事も変わる。伝票照合や精算処理は自宅で実行でき、紙伝票の保管もなくなるためテレワークの定着が図れる。
つまり外勤交通費精算の電子申請化により、営業・スタッフの働き方やオフィスの存在価値そのものが変わるのだ。こういった例こそが、デジタルトランスフォーメーションだといえる。
デジタルトランスフォーメーションのメリット
デジタルトランスフォーメーションは、たとえば以下に掲げるようなさまざまなメリットをもたらす。
生産性向上と顧客への付加価値提供
デジタルトランスフォーメーションによる生産性向上は、単純な業務効率化だけでなく顧客への付加価値向上をもたらす。たとえば営業担当者の日常は、経費精算・顧客への請求書発行・返品処理・売掛金回収など、顧客への付加価値を産まないアナログな仕事に時間を割かれているケースが多い。
こうしたアナログ業務のデジタル化を通じて生産性向上が図れれば、営業担当者は本来のミッションである新規顧客との接点拡大や既存顧客との関係深化に注力できる。
デジタルトランスフォーメーションを通じたオフィスの革新
デジタルトランスフォーメーションを通じて、オフィスもより創造的な空間に特化する。経費請求、給与精算、請求書送付など、デジタル化がすすめばこうした雑務でオフィスに出てくる必要はない。さらに、ウェブ会議ツールの活用により、営業会議など情報伝達型の集まりはリモートで代替されていく。
ただし、組織や業務のイノベーション、新しいビジネスモデルの創造、新商品の開発などを検討するためには、直接顔を合わせての議論が必要な場合もある。つまり、デジタルトランスフォーメーションによって、オフィスはより創造的な業務を集中して行う場所へと変化することがある。デジタルトランスフォーメーションは他にも、働き方の革新や、今までになかったビジネスモデルの創造、意思決定や指揮命令スピードの飛躍的向上をもたらすとされている。
デジタルトランスフォーメーションのデメリット
デジタルトランスフォーメーションのデメリットは、成果がすぐに出るわけではないこと、事業部や部門が部分最適で取り組んでもうまくいかないことの2点だ。つまり長期視点でじっくり進めること、全社的に取り組むことの2点に留意しなければ、デジタルトランスフォーメーションは失敗する場合がある。