デジタルサイネージとは?デジタルサイネージ導入のメリット・デメリットは?徹底解説!

読み方:でじたる・さいねーじ
Pocket

デジタルサイネージとは

デジタルサイネージのイメージ
デジタルという電子技術と、看板という情報を発信するための機材を組み合わせた情報発信のためのメディアを意味する。 i-stock/Massimo Giachetti

 デジタルサイネージ( Digital Signage)とは、デジタルという電子技術と、看板という情報を発信するための機材を組み合わせた情報発信のためのメディアを意味する。和訳では電子看板と表されるが、今日では電子看板という訳語よりもデジタルサイネージという表現が一般に使われている。

デジタルサイネージ利用場面の広がり

 今日の姿のようなデジタルサイネージは、1970年台後半に米国のアパレル店がファッションショーのビデオ映像を店内の大型テレビで再生したのが始まりだといわれている。今やデジタルサイネージの利用場面は、企業の広告宣伝だけでなく、公共の場における案内や誘導などでの利用も広がっている。役所や病院など公共施設、高速道路、空港や航空機、駅及び鉄道車両内など、様々な場面でデジタルサイネージが利用されている。さらにデジタルサイネージは屋内だけでなく、街頭の看板や標識に代わる情報発信メディアとしての進化も続けている。

デジタルサイネージの方式

 デジタルサイネージには、ディスプレイに内蔵されたプレーヤーで記憶媒体に保存したコンテンツを再現する「スタンドアロン型」、有線LANやWi-Fiなどのネットワークからコンテンツを受信してディスプレイに再現する「ネットワーク配信型」がある。なおネットワーク配信型には、コンテンツを専用サーバから配信する「オンプレミス型」と、クラウド環境から配信する「クラウド型」がある。

 その他に、新たにプロジェクションマッピング方式で、ディスプレイ画面を使わないプロジェクションサイネージと呼ばれる方式も始まっている。

デジタルサイネージ利用のメリット

 デジタルサイネージを利用するメリットは、設置場所の通行者や環境の変化に合わせて、放映するコンテンツを自在に変更できる点である。またディスプレイ画面の鮮明さ、動画コンテンツの視認率の高さなど高い広告効果が期待できる。さらに双方向通信機能を使えば、ディスプレイ端末で視聴者との交流も可能となる。

 またネットワーク配信型を採用すれば、多地点への配信やコンテンツ内容の変更も容易など、より高い利便性が得られる。

デジタルサイネージ利用のデメリット

 デジタルサイネージ利用のデメリットは、特別なケースを除けば手書きポップや看板などアナログ媒体に比べると初期費用が高いという点である。また設置についても、機材を置くスペースの確保が必要になる。
 デジタルサイネージには初期費用という大きな課題はあるが、長期に渡って利用が可能であり、ランニングコストの観点からコストパフォーマンスを見極める必要がある。利用目的と使用頻度によっては、デジタルサイネージの方がメリットを生み出す可能性もある。

デジタルサイネージの実例

新宿アルタ デジタルサイネージイメージ
1980年に日本初となる大型ビジョン「アルタビジョン」が東京・新宿のビルの壁面に設置された。日本におけるデジタルサイネージの草分け的な存在といえる。 i-stock/TkKurikawa

 日常生活の中で目にする機会が多いデジタルサイネージであるが、ここでは都市景観としても貢献している新宿のアルタビジョン、ネットワーク配信を本格的に導入したJR東日本のトレインチャンネル、双方向通信とAIを導入した先進的な成田国際空港の旅客案内サービスの例を紹介する。

草分けのアルタビジョン

 1980年に日本初となる大型ビジョン「アルタビジョン」が東京・新宿のビルの壁面に設置された。初代アルタビジョンはモノクロ画面からのスタートであり、1992年に設置された二代目からカラー画面となり、2001年の三代目からハイビジョン画面、さらに2014年の四代目ではフルハイビジョン画面へと進化が続いている。なお現在の画面サイズは約600インチである。

ネットワーク配信型を導入したトレインチャンネル

 JR東日本は首都圏の路線を走行する車両に、2002年から停車駅や運行情報に関する情報と広告を表示するディスプレイを設置している。首都圏の主要9路線では、ほとんどの車両が設置済みとなっている。車内に設置されているトレインビジョンは、左右の画面にそれぞれ運行に関する案内情報と、広告やニュースなどのコンテンツが表示されている。公共機関の利便性を高める情報提供と、広告宣伝というビジネス機能を併せ持つシステムとして活用されている。

先進型デジタルサイネージ

 成田国際空港では、訪日外国人の利便性を向上させるためにAIを導入したデジタルサイネージを使った案内サービスを提供している。空港からの交通アクセス情報をサイネージ画面で検索閲覧、検索結果をスマートフォンで受け取ることもできる。またデジタルサイネージの空港内高精度地図システムで、チェックインカウンターや搭乗ゲート・到着ロビー、その他の空港内施設への誘導を受けることができる。

 その他にもサイネージディスプレイに搭載されているテレビ電話機能で空港スタッフと会話ができるなど、多様な先進的機能を持つ。テキスト入力や音声でのキーワード検索は多国籍言語に対応しており、利用者にとって高い利便性を実現している。

流通基礎用語集トップへ

関連キーワード:

人気記事ランキング

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態