ワントゥワンマーケティングとは?導入のメリット・デメリットは?徹底解説!

読み方:わん・とぅ・わん・まーけてぃんぐ
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ワントゥワンマーケティングとは

1to1マーケティングイメージ
ワントゥワンマーケティングの基本は、特定の消費者に対して、それぞれが持つ関心事についてのメッセージを届けることである。

 ワントゥワンマーケティングとは、個々の消費者にとって最適となるマーケティングを実施する手法である。
ワントゥワンマーケティングの基本は、特定の消費者に対して、それぞれが持つ関心事についてのメッセージを届けることである。自分の関心事について、継続的に個人宛のメッセージを受取ることで消費者は自分が関心を持たれている、優遇されているという顧客としての満足感を得ることができる。ワントゥワンマーケティングとは、顧客の満足度を向上させ、いわゆる「顧客エンゲージメント」を高め、顧客の囲い込みに導くための仕組みであると言える。

 なおワントゥワンマーケティングは、マーケティングの概念ではダイレクトマーケティングのひとつとして位置づけられている。

ダイレクトマーケティングとワントゥワンマーケティング 

 米国でダイレクトマーケティングという言葉が使われ始めたのは1960 年代後半からで、当時は中間業者を入れずメーカーから消費者へ直接販売する行動のみを意味していた。1980年代に入ると広告メディアを取り入れた直接販売行動へ、1990年代にはこれら全般の行動をデータベースとして蓄積する行動までがダイレクトマーケティングと定義された。

 1990年代の中期に入ると、消費者の商品選択や購買行動のデータベースの拡充が進み、消費者の属性、商品購入履歴などのデータに基づくワントゥワンマーケティングが提唱され始めた。

ワントゥワンマーケティングの先行事例

 ワントゥワンマーケティングの先駆的な例としては、パソコンメーカーのデル(Dell)が挙げられる。デルは、1994年にネットで消費者と直接コミュニケーションを取る「デル・ダイレクト・モデル」をスタートさせた。潜在顧客が有望な見込み顧客に育つプロセスを想定し、それぞれの段階に応じた内容のEメールを定期的に送るなど、顧客との関係を継続的に深めるシステムを構築している。

 さらにデルが設定した枠内という制限はあるが、顧客はインターネットを介して希望する仕様を選択できる注文生産(BTO)も可能となっている。デルは顧客の発見から契約、購入後のサポートまで顧客との個別コミュニケーションモデルを実現させた、ワントゥワンマーケティングの成功例とされている。

ワントゥワンマーケティング導入のメリット

メリットのイメージ
ワントゥワンマーケティングの導入により、マーケティングに必須となるリアルタイムの顧客情報の収集が可能となる。

 ワントゥワンマーケティングの導入により、自社サイトなどを通じた新規顧客候補の発見、既存顧客のアクセスからどの商品やサービスに関心が高いのかなど、マーケティングに必須となるリアルタイムの顧客情報の収集が可能となる。さらに、嗜好に合った継続的な情報提供で、顧客の商品購入の意思決定を後押しする効果が期待できる。ワントゥワンマーケティングは新規顧客の獲得と同時に、既存顧客をよりロイヤリティの高い顧客へと育てる有力な手段となる。

 またワントゥワンマーケティングでは、蓄積された顧客情報のデータベースとデータ分析技術、顧客へのアプローチシナリオにより、自動化されたシステムとして人手をかけない効率的な運用が可能である。カタログやDMの配送先の選別、配送のタイミングの選定の自動化が可能となり、印刷費や郵送費などの削減というコストメリットもある。

ワントゥワンマーケティング導入のデメリット

 メールマガジンやDMの配送など、受け取る顧客側としては、個人情報を他人が一方的に利用しているという不安や不信感を持つことがある。ワントゥワンマーケティングにおいては、企業側からメールマガジンやDMの配送の諾否を確認することが大事なポイントになる。個人情報保護への配慮が、企業の信頼性を向上させるためである。

ワントゥワンマーケティング実施方法の例

 ワントゥワンマーケティングの実施においては、レコメンデーション、リターゲティング広告、マーケティングオートメーションを導入する例が多い。

 自社サイトへアクセスして来た新規顧客候補、既存顧客の履歴情報に基づき、コミュニケーションを取る形でお勧め商品やキャンペーン情報などを提供するのがレコメンデーションである。顧客が他のサイトの閲覧へと移動した場合には、閲覧行動を追跡して閲覧中の画面の中に自社の広告を表示する機能を持つリターゲティング広告が対抗措置として機能する。

 レコメンデーション、リターゲティング広告の機能を含め、顧客のライフサイクルなどを考慮した「顧客エンゲージメント」を高めるシナリオで、Eメール配信などの省力化、低コスト化を実現する仕組みがマーケティングオートメーションである。

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