価格別陳列法とは?価格別陳列法のメリット・デメリットを徹底解説!
価格別陳列法とは
価格別陳列法とは、同じ価格あるいは価格帯の商品を集めて陳列する販売方法である。さまざまな商品を同一価格で陳列する「〇〇円均一コーナー」や、ワインなど同じジャンルの商品を価格帯別に陳列するのが価格別陳列法の例だ。
均一コーナーは「毛糸各種 1袋 1,100円」「缶詰どれでも100円」など、在庫処分に用いられることが多い。カゴに大量の商品を山積みにする「ジャンブル陳列(投げ込み陳列)」も、同一価格商品を集めることがほとんどだ。ジャンブル(Jumble)とは、「ごちゃ混ぜにする」という意味である。
同じジャンルの商品の価格帯別陳列は、見た目はよく似ているが価格に大きな差がある商品で用いられることが多い。価格の違いを目立つように訴求する場合と、さりげなく分ける場合がある。
価格別陳列法は、棚割における陳列法の1つというより、祭事やセールの1つのコーナーの意味合いが多い。ただし、ワインなどの価格別陳列は日常的に使われる棚割りの1つと言える。
価格別陳列法のメリット
価格別陳列法のメリットは、安さや買得感をアピールできることだ。多ジャンルの商品を同一価格で販売する「均一売場」では、消費者は買得感から最初購入予定のなかった商品にも手を伸ばす傾向がある。消費者は、現在の「100円均一」の売り場を回遊するときと同じ気分になるのだ。
「選びやすさ」「買いやすさ」も、価格別陳列のメリットだ。顧客は同一価格で商品比較ができるので、予算が決まった中で選ぶときに便利である。
価格別陳列法のデメリット
価格別陳列法のデメリットは、買得感の反面、「在庫処分=不人気商品」のイメージを与えることだ。たとえば、ジャンブル販売のカップラーメンは「美味しくないかも」という先入観を与える可能性もある。したがって、高級・高品質を訴求する商品では、価格別陳列法は用いられないことが多い。
価格別陳列で売れ残り商品のイメージを払しょくするには、在庫処分は在庫処分と明示するとともに、「当店特選商品コーナー」などのPOPで、提案型の価格別コーナーを設けるなどの工夫が考えられる。それを継続することで在庫品処分のマイナスイメージがなくなり、顧客の購買意欲を喚起する効果が期待できる。
価格別陳列法の実例
価格別陳列法の典型的な例は、昔から百貨店で行われていた「〇〇円均一」販売である。ふだんあまり百貨店で買物をしない層にも、手が届く価格帯である均一セールは人気があった。
現在すっかり市場に定着した「100円均一」は、百貨店の均一セールの発展形とも言える。事実、昭和初期に開業したの「高島屋十銭ストア」は、大正末期の高島屋大阪長堀店の「なんでも十銭均一売場」が好評を得た結果である。
価格別陳列法の中でも人気があるのが正月の「福袋」だ。福袋は買得感をアピールできるとともに、不人気商品のイメージを与えずに販売することが可能だ。むしろ消費者は「縁起物」「店が力を入れたセレクト商品」などのプラスイメージを持つことが多い。また、5万円福袋、10万円福袋などもあり、高級品の販売も可能である。バブル期には乗用車、家など一千万円を超える福袋もあった。福袋は購入してから中身がわかるものが一般的だが、最近は購入前に中身がわかる透明の袋に入っているものも増えた。
また、お正月の縁起物という観念にも変化があり、楽天市場では通年「福袋」のジャンルが設けられて40万件を超える商品が出品されている。ネットショップの福袋は、中身の詳細や値引き率を明示して販売されるのが特徴だ。