Jフロント、3〜11月期の営業利益は約4.6倍 百貨店の売上回復

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大丸
J.フロントリテイリングの2022年3〜11月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比約4.6倍の201億円となった。(gettyimages/TkKurikawa)

 J.フロントリテイリングの2022年3〜11月期連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比約4.6倍の201億円となった。新型コロナ感染拡大に伴う行動制限がなくなったことで、主力の百貨店事業の売上が増加、10月からの水際対策緩和による免税売上の回復効果も出てきた。

 売上高に当たる売上収益は8.2%増の2569億円、百貨店の消化仕入取引やショッピングセンター(SC)のテナント取扱高を含む総額売上高は15.1%増の7094億円だった。水道光熱費を中心に販売管理費が5.6%増加したが、売上増で吸収した。

 百貨店事業の売上収益は14.5%増の1519億円、前年同期に28億円の赤字だった営業損益は65億円の黒字に転換した。大丸心斎橋店や同東京店など都心店舗を中心に高額品の売上が順調に伸びた。コロナ禍前の19年同期との比較で国内売上は2.3%減の水準まで回復、免税売上は60.5%減だった。

 パルコが主体のSC事業の売上収益は1.8%増の400億円と、百貨店事業に比べて回復ペースは緩やかだが、営業利益は約3.3倍の68億円に拡大した。前期に計上した株式譲渡に伴う損失の反動、エンタテインメント事業における補助金が利益を押し上げた。パルコの全店ベースでのテナント取扱高は9〜11月の実績で前年同期比13.4%増、19年同期比で0.6%減まで回復した。

 そのほか、デベロッパー事業は前期に計上した固定資産売却益の反動などから営業利益が17.9%減の25億円、決済・金融事業はカード会員の年会費値上げによる増収効果や加盟店での取扱高改善などにより、営業利益は約2.5倍の29億円となった。

 23年2月期通期の連結業績は従来予想を据え置いた。売上収益は4.4%増の3460億円、営業利益は約2.5倍の235億円、純利益は約3.7倍の160億円を見込む。

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