【米ウォルマート】独自のスマホ決済「ウォルマート・ペイ」、16年全店に
米ウォルマート・ストアーズは独自開発したスマートフォン決済システム「ウォルマート・ペイ(Walmart Pay)」を導入する。大手小売業が独自のスマホ決済システムを導入するのは初めてで、アップルの「アップル・ペイ」やグーグルの「アンドロイド・ペイ」などIT系企業の決済システムに対抗する。
12月中に導入を開始し、2016年上半期中に全米の店舗に広げる計画。ウォルマート・ペイは同社のスマホアプリ「Walmart app」に新機能として付加された。精算時に同アプリを立ち上げ、ウォルマート・ペイを選択した上で、スマホ搭載のカメラでレジに表示されたQRコードを読み込む。レジ担当者が商品バーコードをすべて読み終わると自動的に決済が完了し、電子レシートがスマホに保存される。
アップル・ペイやアンドロイド・ペイが近距離無線通信技術(NFC)を利用し、スマホを読み取り機に近づけるだけなのと比べると、ウォルマート・ペイはアプリを立ち上げてカメラでQRコードを読み込ませる手間がかかる。また、アップル・ペイやアンドロイド・ペイのようにウォルマート以外の店舗では利用することができないため、どこまで普及するかは不透明だ。
ウォルマートではWalmart appを定期的に利用している2200万人の顧客にウォルマート・ペイの利用を促していきたい考え。Walmart appには買い物リスト作成、処方箋の保存、エリア内の競合他店との価格比較、店内の商品陳列場所の検索、特売情報の受信などの機能がある。
ウォルマート・ペイはiOS端末とアンドロイド端末の両方に対応、主要なクレジットカードやデビットカード、プリペイドカードにも対応している。
ウォルマートはターゲットやCVSヘルス、マイヤーなど大手小売業と共同でモバイル決済システムのプラットフォームを開発するためのコンソーシアム「MCX(マーチャント・カスタマー・エクスチェンジ)」を立ち上げ、「カレントC(Current C)」というアプリを実験中だが、同コンソーシアムにはとどまる見通し。