QRコード決済市場、24年度に10兆円超え、矢野経済研予測
矢野経済研究所の予測によれば、QRコード決済サービス(バーコード決済を含む)の国内市場規模は2024年度に10兆290億円と10兆円を突破する見通しだ。中国からのインバウンド(訪日外国人)客を取り込むことを目的に店舗での導入が進んできたQRコード決済だが、国内のサービス提供事業者が増え、市場規模が急速に拡大している。
18年度に3042億円だった市場規模は、19年度に約6倍の1兆8369億円に膨らんだ。QRコード決済アプリに飲食店の事前注文やタクシー配車などの機能が搭載されるようになったことで、サービスの利用が広がった。
QRコード決済はクレジットカード決済などに比べ導入コストや手数料が安く、キャッシュレス決済ニーズに対応するために導入する加盟店が増えている。サービス提供事業者が零細店舗に対して手数料を無料化したり、キャンペーンによるポイント付与を行ったりする動きも普及を後押しした。政府のキャッシュレス・消費者還元事業も追い風となった。
20年度は新型コロナウイルスの影響によるキャッシュレス決済ニーズの高まりを背景に、市場規模は前年同度比約2.1倍の3兆8702億円に拡大する見込みだ。