スマホで部屋を自由に模様替え!「家具を選ぶ楽しさ」追求したイケアのオムニチャネル戦略
ルームセットをバーチャルに再現「インテリアスタイルラボ」
そのペインポイントを解消する一手として、2023年12月に導入したのが、体験型ショッピングツール「インテリアスタイルラボ」だ。
IKEA原宿の2階に上がると、3メートル×3メートルほどのブースが現れる。ブースの中に入ると、天井に3台のプロジェクターが吊るされており、そこから正面と左右の3面の壁にインテリアの映像がほぼ原寸大で映し出されている。イケアの大型店舗に設置されているルームセットが、180度のパノラマ映像でバーチャルに再現され、実際の家具を見ることができなくてもサイズ感や家具が置かれたイメージを視覚的に体感することができるのだ。
ルームセットのパターンはリビング、寝室、子ども部屋など約20種類。タッチパネルを操作することで簡単に選択することができる。また、約9500種類あるイケアの商品もすべて選択し、画面に投影することができる。
また、映し出される商品の映像はオンラインストアにもリンクしており、商品に付いているタグのQRコードをスキャンするとオンラインストアの商品ページに遷移する。気に入った商品があればスマートフォンから即購入することも可能だ。
「インテリアスタイルラボ」の設置は、イケアの世界各国の拠点ではフランスに次いで2カ国目。国内では原宿、新宿の2店舗で試験的に導入している。「まだ試験段階なので改善点はたくさんある。お客さまの反応を見ながら順次アップデートしていきたい」と井上氏。
この「インテリアスタイルラボ」によって、都心型店舗のショールーミングストアとしての機能がより高まることが期待される。ちなみに、ルームセットの映像コンテンツの中には、「動く猫」の映像が収められているものもある。その「猫」を探してみるのも楽しみの一つになるかもしれない。