決済から読み解く流通争奪戦1  現金崇拝の終わりの始まり キャッシュレス比率1日で7%アップの店も

佐藤元則(NCB Lab.代表)
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「少額なのにカード決済は気が引ける」という意識に変化

 信じられないかもしれないが、コンビニエンスストアにおけるメインの決済手段は現金である。消費者のキャッシュレス意識調査で明らかになったのが、コンビニでの現金決済の多さだ。

 NCB Lab.と電通が2018年10月に実施した共同調査によると、コンビニエンスストアでの決済は現金が54%、電子マネーが43%、クレジットカードは第3位で28%だった(複数回答)。

 カード、電子マネー、モバイル決済など、ほぼすべての決済手段に対応しているコンビニエンスストアで、なぜキャッシュレス決済が使われないのだろう。その理由は、「少額なのにカード決済は気がひける」というものだった。消費者のネガティブマインドが働いていたのである。

 その心理的なバリアが、決済事業者のキャンペーンと日本政府のキャッシュレス還元で溶け出そうとしている。消費者の現金崇拝の終わりが、始まった。そして流通業界にもその余波がおよんでいる。(次回に続く)

 

佐藤 元則

1952年生まれ。関西学院大学卒。1989年にカード・決済の専門コンサルティング会社、アイエスアイを設立。日本初の自由返済型クレジットカードや国際ブランドつきデビットカード、世界初のバーチャルプリペイド発行システムを開発するなど決済の領域で多数の実績を持つ。1997年から日本カードビジネス研究会(現NCB Lab.)代表に就任。現在に至る。セミナーやコンサルティング、執筆稼活動に精力的に取り組んでいる。

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※このプロフィールは、DCSオンラインに最後に執筆した時点のものです。

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