まろやかさとぬくもりを訴求 快進撃続く2年目の“マルエフ”

2022/07/21 11:34
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“マルエフ”の愛称で親しまれ2021年9月、缶商品の再発売以来、好調に推移するアサヒビールの「アサヒ生ビール」。今期も家庭用と業務用の連動による販促施策を通じブランド認知の向上に務め、メガブランド「スーパードライ」との両輪でビール需要の拡大に貢献していく

飲食店で長年愛されてきたまろやかで豊かなうまみ

 アサヒビールの「アサヒ生ビール」の誕生は1986年。商品開発時、社内での開発記号として使用されていた“幸運の不死鳥(FORTUNE PHOENIX)”を由来とする“マルエフ”というワードがそのまま、商品の愛称として定着した。

 「苦くて重いビールから、のどごしのよいすっきりした味わいのビールへ」という消費者の嗜好の変化を捉え、コクがあってキレがあり、さらにまろやかなうまみのある味わいを実現した同品は、1993年に家庭用缶が終売となったものの飲食店で愛され続け、樽生のみを継続し販売してきた。

 同品はこれまでもお客様相談室やSNS上で復活を望む声が寄せられており、2018年には期間限定で家庭用市場にも提案し好評を得たが、21年、コロナ禍の影響により在宅時間が増え「ゆったりと過ごしたい」というニーズが高まったこと、さらにコミュニケーションが希薄になったことで「人のぬくもり」を求める人が増えたことを受け、まろやかな味わいを持つビールとして、家庭用の「アサヒ生ビール」缶を28年ぶりに復活させた。

 メーンターゲットは物質的豊かさよりも精神的豊かさを求めるミレニアル世代。「日本に、ぬくもりを」というブランドパーパスを掲げ、元々評価の高かった中味は当時のままとし、商品のパッケージを大きく変更した。やわらかで淡いゴールド地に紺で商品名を記し、幸運の不死鳥のアイコンとともに“通称 マルエフ”と“復活の生”という文言を記載している。

アサヒビール㈱  マーケティング本部 新ブランド開発部 渡邊 航太郎氏

28年ぶりの復活で販売目標を大幅に更新

 プロモーションにも注力した。今の時代の消費者ニーズを踏まえ、「アサヒ生ビール」を“Heart-warming Beer”として訴求。TVCMではアルコール商品のCM初となる新垣結衣さんを起用し、「ぬくもり」「やさしさ」「居心地のよさ」といった世界観を醸成し、認知拡大と飲用喚起を図った。このコミュニケーションはCM総合研究所による2112月上期のCM好感度調査で好感度No.1を獲得するなど好評を得た。さらに店頭のほか飲食店におけるPOP等も刷新、業務用・家庭用連動による販促活動を行った。

 これらの施策が奏功し、当初販売目標として掲げていた150万ケースを12月に達成。最終的には201万ケースと計画比134%の大幅伸長となった。

 22年には新ラインアップとして「アサヒ生ビール黒生」を発売。年間販売目標を当初の5割増となる150万ケースに上方修正した同品は、6月単月で16万ケース、累計で110万ケースとなり、こちらも好調に推移している。

ぬくもりのある世界観”や“まろやかなうまみのある味わい”で好調に推移する“通称 マルエフ”こと「アサヒ生ビール」と「アサヒ生ビール黒生」

 直近のプロモーションでは「アサヒ生ビール」「アサヒ生ビール黒生」を対象に、8月2日から9月26日まで、TVCMで使用しているグラスが必ずもらえるキャンペーンを実施。業務用では「アサヒ生ビール」の専用ジョッキや「アサヒ生ビール黒生」の専用タンブラーなど、プロモーションツールを展開したほか、取り扱い飲食店の情報を発信し、好評を得ている。

 “ぬくもりのある世界観”や“まろやかなうまみのある味わい”を訴求することで、多くのユーザーに支持されるブランドとなった“マルエフ”。2年目となる今期は「アサヒ生ビール」と「アサヒ生ビール黒生」による「ハーフ&ハーフ」の飲み方提案も実施し、引き続き家庭用・業務用連動で販促に取り組んでいく。アサヒビールでは、「アサヒ生ビール」「スーパードライ」との2本柱で、2026年の酒税一本化に向けてビール需要の拡大へ貢献していきたいとしている。

「アサヒ生ビール」のサイトはこちら

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