パスタ&パスタソース市場、コロナ禍以降、市場は堅調に推移 24年夏は米不足追い風に需要増

文:山田 陽美

コロナ禍以降の内食需要拡大を背景に、パスタ&パスタソース市場は堅調な成長を続けている。2024年夏は米不足による代替需要で大きく伸長した。簡便・時短調理に加え、本格志向の商品投入が市場活性化を後押ししている。

「もちもち食感」ニーズ高まる秋に新商品が続々

 KSP-POSデータによると、スパゲティの期間通算(2024年8月~25年7月)の金額PIは、3045円で対前年同期比5.4%増、数量PIは12.47で同3.9%増と、金額・数量ともに堅調に推移。とくに、米不足の影響を受けた8月は、金額PIが同17.9%増と2ケタ伸長した。

パスタのイメージ
コロナ禍以降の内食需要拡大を背景に、パスタ&パスタソース市場は堅調な成長を続けている(i-stock/Elena_Danileiko)

 近年は、麺やパン、菓子など幅広いカテゴリーで「もちもち食感」へのニーズが高まり、パスタの中でも生パスタが台頭している。日清製粉ウェルナは、25年春「マ・マーなめらかもっちり 早ゆでスパゲティFineFast1.6mmチャック付結束タイプ」を発売。デュラム小麦100%使用で、なめらかさともっちり感の両立を図った。

 秋には「2/3サイズ」の商品をラインアップ。2/3サイズは、小鍋で調理できる利便性やフォークに巻きやすく、通常の長さのパスタと変わらない食べ応えがあるため、販売金額はこの5年で約2倍にまで拡大。新たなスタンダードとして定着が進んでいる。

 また、電子レンジでパスタを茹でる人が増えていることを受け、日清製粉ウェルナは、袋のままレンジで2分加熱するだけの「マ・マー レンジで2分もちもち生パスタ」を発売。利便性と食感を両立した新商品として流通から期待が寄せられている。

 マカロニの期間通算の金額PIは532円で対前年同期比0.3%減、数量PIは4.6で同0.8%増。マカロニは「茹で時間の短さ」や「食感」を重視する傾向にあるため、早ゆでタイプを中心に堅調に推移。日清製粉ウェルナは「マ・マー早ゆでマカロニ」シリーズをリニューアルし、従来の時短性に加え、“もっちり食感”を追求した。店頭では特長をわかりやすく訴求するロゴを導入し、視認性向上を図った。

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