「手間のかかること」が差別化に!? オオゼキの新店「調布店」の売場をレポート
オオゼキ(東京都/石原坂潤社長)は2023年4月1日、調布市内2店舗目となる「オオゼキ調布店」をオープンした。地元Webメディアによると1、2階合わせての売場面積は約230坪と、一般的な食品スーパー店舗と比べるとやや小ぶりな店舗となる。ちなみに、調布市内にあるもう1つの「つつじが丘店」も4月8日にリニューアルしており、エリア全体としてのオオゼキの存在感が高まりつつある。本稿前編では、オオゼキ調布店の青果売場について解説した。後編となる今回は総菜、精肉、鮮魚売場を見ていきたい。
精肉は価格訴求から高価格帯を幅広く品揃え
オオゼキ調布店の総菜売場はレジ前の一角と、青果コーナーからつながる右店角にある「梅丘すしの美登利」の2つに分かれている。ともにオオゼキの自社製造ではなく、外注先が店内で加工しているスタイルである。
レジ前は冷蔵ケース合計約30尺にお弁当の特設コーナーが加わる。調査日は、父の日を意識した「鴨のパストラミ」などがあったものの、全体的に定番の商品構成が中心で、凝ったメニューやトレンドを意識したアイテムは見かけなかった。「美登利」は売場が約6尺と狭く、詰め込むようなかたちで商品が陳列されていたのが印象的だった。寿司や丼、巻物など30アイテム近くあり、来店客の支持は高いとみられる。
2階のエスカレーターを上がると、正面に精肉の平台があるのが目に飛び込んでくる。トップは冷凍の大容量パックで、その奥の冷蔵ケースはハム・ソーセージなど加工肉コーナーとなっていた。青果と異なり、変化の少ないカテゴリーを売場のトップに持ってきているようだ。
その脇の平台には、ステーキや焼き肉用の牛肉を国産、輸入交えながら展開。調査日は父の日当日に松阪牛を販売するPOPが大々的に告知されていた。価格設定も700円前後から1000円前後を中心に5000~6000円する塊肉も並べるなど価格幅を広く取る品揃えで訴求し、客溜まりができていた。
定番の冷ケースでは、豚肉の種類が豊富で自社PBの「岩手純情豚」、「どんぐりの恵み豚」などのブランド肉や用途別などを高単価のアイテムから並べるかたちをとっていた。鶏肉は豚肉とは逆に低単価のアイテムから順に並べ、価格訴求を意識した売場づくりとなっていた。