中国の6月PPIは前年比横ばい、CPIは+2.7% 食品が高止まり

ロイター
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河北省にある工場
7月10日、中国国家統計局が10日に発表した6月の生産者物価指数(PPI)は、上昇予想に反して前年比変わらずとなった。写真は河北省にある工場で5月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[北京 10日 ロイター] – 中国国家統計局が10日に発表した6月の生産者物価指数(PPI)は、上昇予想に反して前年比変わらずとなった。製造業活動の鈍化を示す内容で、経済成長が一段と圧迫されるとの懸念が高まりそうだ。

ロイター調査では前年比0.3%上昇すると予想されていた。5月のPPIは0.6%上昇だった。

6月の横ばいは、前回PPIが前年比で低下した2016年8月以来の弱さ。

これを受けてデフレへの懸念が再燃し、当局が追加刺激策を講じる可能性がある。

上流部門が特に弱く、石油・天然ガス生産価格は前年比1.8%低下した。石炭鉱業部門の伸びも鈍化した。

米中は先月、貿易戦争の停止で再び合意したものの、中国の製造業セクターでは米関税の回避に向け国外での生産にシフトする動きが強まっており、エコノミストは中国経済が引き続き圧迫されるとみている。

中国はインフラ事業を加速させているが、一部の建築資材の価格はさえないままだ。

スポット市場の6月の鉄筋価格は1年前の水準を依然として割り込んでおり、季節的な建設活動の鈍化で7月にさらに下落する可能性がある。

同時に発表された6月の消費者物価指数(CPI)は、前年比2.7%上昇し、予想と一致。5月に記録した15カ月ぶりの高い伸びと並んだ。アフリカ豚コレラの感染拡大や厳しい天候を受けた供給減少で豚肉や果物の価格上昇が続いていることが背景。

豚肉価格は前年比21.1%、果物の価格は42.7%、それぞれ上昇した。

食品価格は8.3%上昇し、5月の7.7%上昇から伸びが加速した。

CPIは前月比では0.1%低下した。5月は横ばいだった。

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