シジシージャパン CGCグループ代表兼社長 堀内淳弘
家庭での料理を支援し、食品スーパーの存在意義を発揮する!

2013/04/22 15:00
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共同仕入機構のCGCグループは2013年度に創立40周年を迎えた。企業数は228社(13年4月現在)、グループ年商総額4兆2658億円に達した。大手小売グループに対抗するため、15年度にはグループ規模5兆円の達成をめざす。CGCグループの本部機能を担うシジシージャパン(東京都)の堀内淳弘CGCグループ代表兼社長に、グループの重点戦略を聞いた。

聞き手=下田健司 構成=太田美和子(フードマーケット・クリエイティブ)


シジシージャパン CGCグループ代表兼社長 堀内淳弘シジシージャパン CGCグループ代表兼社長 堀内淳弘(ほりうち・あつひろ)
1946年東京生まれ。69年流通経済大学経済学部卒業、同年東急ストア入社。75年シジシージャパン入社。80年取締役社長室長。85年専務取締役。91年代表取締役社長。2007年CGCグループ代表

今年から「弁当の日」の普及に力を入れる

──現在のグループを取り巻く環境をどのように見ていますか。

堀内 今、大きな問題だと感じているのが、家庭で料理をしなくなっていることです。実際、食品スーパー(SM)では、パン粉や味噌など調味料系の食品の売上が毎年落ち続けています。SMとして非常に危機感を感じています。

 それに代わって伸びているのが、加工度の高い商品です。今は短時間で調理できる便利な商品がたくさん登場しています。総菜の種類も増えました。もちろん、それは時代の流れですから、SMが対応していかねばならないでしょう。

 しかし一方で、お客さまに家庭で料理をしていただくようにしなければ、家庭内食がダメになるのではないか、もっと言うと日本人がダメになるのではないかと強く感じます。

 現在、日本の20代女性の1日当たりの平均摂取カロリーは1595キロカロリー、30代女性は1651キロカロリー(厚生労働省「平成23年国民健康・栄養調査」)です。終戦直後の摂取カロリーよりも少ないと言われています。低すぎるうえに、さらに減少傾向にあります。それなのに、体重が増えることを気にして多くの人がダイエットをする。本当は、まったく逆で、もっとカロリーをとらなければいけないのです。

 また、以前から問題になってましたが、朝食をとらない子どもがいまだに増え続けています。7歳から14歳の朝食欠食率は男子で5.9%、女子で5.4%(厚生労働省「平成23年国民健康・栄養調査」)です。こうした子どもたちの健康は、給食に支えられている部分が大きくなっています。夏休みになると栄養失調になる子どももいるほど、家庭の食事は乱れていると言われています。

 こうした状況を知ると、事態の深刻さがあらためてわかります。家庭に、しっかりとした「食」の知識と料理の技術を身につけてもらいたいと痛切に感じます。地域密着で地域の食を預かっているSMとしても見過ごすわけにはいきません。今、CGCメンバー(加盟企業)に呼び掛けて、活動を起こしているところです。

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