25年12月15日号 トライアル西友全解剖
編集後記
今号の「トライアル西友特集」を担当しました。とくに印象に残ったのが「食の承認会」です。実際の現場で、まず圧倒されたのは扱う商品の多さでした。リニューアル前後の商品が次々と運ばれ、担当者のみなさんがそれぞれ試食しながら味や仕様をめぐって議論していました。他社商品の具体名を挙げ、自社商品と細部まで比較・検討する様子にも大変驚きました。
取材時は商品化へ進むものがある一方、再検討となるケースも多々ありました。1 品1 品に真正面から向き合い、一切妥協することなくよりよい商品を追求する姿勢から、トライアルが“食”にかける本気度を強く感じました。
「スーパーマーケットバロー横浜下永谷店」を取材してきました。オープン当日は多くのお客が来店し、入店まで1 時間待ちになるほどの大混雑。しかしお客はその混雑を受け入れている様子で、バローというお店に対する期待値の高さをひしひしと感じました。
店内を撮影していると、聞こえてくるのは「安い」「新鮮」「おいしそう」などポジティブな声ばかり。現地でのお客の反応を見る限りでは、上がりきった期待値に対し、バローが店づくりでしっかり応えられているようでした。関東1 号店として高い完成度を示した横浜下永谷店。2号店への期待が、自然と膨らむ取材となりました。
本誌では3 回目のトライアル特集でした。初回は2022 年8 月1日号、2回目は2024 年5月15 日号。特定の企業をこうした頻度で取り上げることは稀なのですが、それだけ変化が著しい企業体であることの証左でしょう。
経営面で言えば、24年3月の新規上場、25 年7月の西友との経営統合。戦略面では生鮮やPB の開発強化、「TRIAL GO」や「トライアル西友」の出店、メーカー・卸との協業拡大……。体系的にまとめるのに難儀するほど変化の幅は広く、複雑化しています。新生・トライアルの次なる“サプライズ”が楽しみです。





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