ABEJA
入店率・買上率・客動線を可視化
顧客満足度と売上の向上へ
「ABEJA PLATFORM for Retail」では、センサーから取得した各種データや既存データと組み合わせて複合的に解析した結果を表やグラフなどわかりやすく自動的に加工して一覧表示するダッシュボードを提供しており、買上率の日々の変化も容易に把握できる。可視化された買上率や客動線の分析結果に基づいて、ただちに施策を講じて改善に移す。そして、その効果を検証する。この一連の流れもすべて定量的なデータを基本とする。
買上率に着目したことで、店舗の従業員のモチベーションに変化が生じた店舗もあるという。買上率というデータが明確に示されることで、何が失敗だったのか、何が効果的だったのかを判断でき、その結果、従業員が買上率向上を図るための改善活動に取り組みやすくなったからである。
データを分析し未知の事実を発見
もう1つ、具体例としてテレビ通販・ネット通販などを展開する「ショップジャパン」を運営するオークローンマーケティング(愛知県/ハリー・A・ヒル社長)のケースがある。同社は、ロングセラーのオーバーレイマットレス「トゥルースリーパー」を実際に手に触れて確かめたいという顧客ニーズに応えるため、リアル店舗を出店している。
同社は、出店から1年半を経てわかったこととして、「お客さまのニーズがなかなか可視化されない」ということだった。そこで、「トゥルースリーパー熱田店」で「ABEJA PLATFORM for Retail」を導入し、来店客数と店舗前の通行人の年代・性別データを取得し分析を行った。そこで分析したのは、買上率や年代・性別ごとの入店率、買上率の高い時間帯などだ。得られたデータを見ると、ショッピングモール内にある同店の場合、買物客が多い昼間の時間帯に入店率は高いが、買上率が高いのは夕方ということがわかった。
同店はショッピングモール内にあるため、マットレスのような大きな商品の買物は、ほかの店舗で買物をして最後に購入するという顧客の行動パターンが明確になった。また、予想外のデータとして把握できたのは、男性の入店率が想定していた以上に高かったことだ。店舗前の通行量は女性のほうが多かったこともあり、来店客は女性が多いという先入観があった。しかしデータで示されたのは、男女半々の入店率だ。これは日々、店舗にいる従業員からも報告されていなかったことだという。
これまで、女性客のほうが多いと考えていたために、プロモーションは女性向けが中心だった。男女半々ということがわかれば、販促施策も変更する必要がある。また、テレビ通販で購入するのは60代が多く、そこに向けたプロモーションに力を入れていたが、リアル店舗の場合は30~40代が顧客の中心ということも判明した。顧客属性が、テレビ通販とリアル店舗で違うということが分析データで示されたのである。
業種・業態に対応したサービスに拡充
データ分析システムやAIによって売上が大幅に向上できれば投資のメリットはあるだろう。しかし、ビッグデータを取得し解析する「ABEJA PLATFORM for Retail」のようなシステムを開発するとなると長い期間を必要とし、莫大なコストもかかる。アベジャのようなSaaSでの提供ならば、企業は比較的低コストで導入し、必要とするデータを可視化できる。実際、「1店舗から始めるスモールスタートのケースも多い」(岡田社長)。モデル店舗を選びスモールスタートして効果を検証し、順次、導入店舗を拡大することで効果の最大化をねらう流通企業が多いからだ。SaaSならば、そうした拡張性を考慮した運用ができる。
実店舗の最終的なゴールは、売上や利益率の向上である。これを実現するためにも、これらのテクノロジーを活用してこれまで得られなかったデータを取得し、適切な解析を行い定量的な根拠に基づく施策につなげることが重要である。
アベジャは今後、さまざまなセンサーデータを取り込むための機能強化や、アプリなどを開発し、より使いやすいユーザーインタフェースの充実を図る考えだ。食品スーパー向けや衣料品専門店チェーン向け、あるいは外食向けなどさまざまな業種・業態への展開を可能としている。
【実証実験募集】
●「ABEJA PLATFORM for Retail」を活用した実証実験のパートナー募集
ディープラーニングをはじめとするAIを活用した「ABEJA PLATFORM for Retail」を店舗に導入してみたい流通業様を募集します。抽選で1企業(1~3店舗)様につきまして、実証実験を無料で実施いただけます。
募集期間:2017年3月1日~3月31日 実証実験開始時期:5月以降を予定
<<ご応募ありがとうございました>>