コロナウイルス禍の欧州消費行動の激変! 食品のEC化が進むイタリア、フランスと進まないドイツの理由

ニールセン・カンパニー (Japan)
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 eコマースに対する前例のない需要により多くの小売企業が課題に直面しているが、このeコマースへのある意味強制的なシフトは、ニーズとメリットが一致した時、消費者がいかに容易に購買行動を変化させるかを明示していると言えるだろう。

 また、外食が制限されているため、より多くの消費者が自宅で料理をするようになっている。ギリシャ、ドイツ、イギリス、オランダでは消費者のほぼ半数にとって自宅で食事をすることが以前から当たり前で、食事の方法を変更した消費者は比較して多くはなかった。しかし、トルコ、イタリア、ポルトガル、スペインなどの消費者は、自宅での料理や食事の頻度を増やす結果となっており、食習慣や購買習慣に顕著な変化を起こったことが分かる。

 外食の割合が高い国の多いアジアでは、感染拡大防止措置が敷かれレストランが閉鎖したため、多くの消費者が外食からテイクアウトやデリバリーへとシフトしている。しかし、欧州ではアジアとは異なり、家庭での食事をデリバリーやファーストフードに置き換えた消費者はほとんどいなかった。多くの消費者は自ら料理をするようになったのだ。 

欧州市場:自宅での食事 欧州市場:食事のデリバリー 欧州市場:食事のテイクアウト

 消費者は自宅で過ごしており、食料もストックされている。メーカーと小売企業は、新たに生まれたこの「巣ごもり経済」を活性化させることで、ビジネスチャンスに変えることができる必要がある。レシピの提案や食材キットの販売は、消費者が自宅で過ごす中、新しい習慣を身につけるのに役立つはずだ。これら新しい習慣の多くが、長期的に根付く可能性が高いと言える。多くの消費者が「自宅での調理を継続するつもりだ」としている。欧州の大部分で多くの人がこれまでより料理をするようになっており、これから少なくとも数カ月の間、自宅での食事が人々の生活の中心となるはずだ。

 感染拡大収束後、消費者が食材を入手する方法が変化するのかについては、地域別に理解する必要があるが、全般的に言って、欧州全体、特に英国、ドイツ、オランダ、ポーランド、ロシアでは、ショッパーの半数未満が以前と同じ購買習慣に戻るだろうとするに留まるという顕著な結果が出ている。

 消費者は感染拡大以前の習慣のいくつかを取り戻すだろうが、新しい習慣も継続して取り入れられるはずだ。例えば在宅勤務は、一部の人にとってより通常の形となる可能性があり、日常が刷新される可能性もある。

 ニールセン 西欧・中央・太平洋地域 代表 ヨハン・ショーストランドは「企業は、オンライン・オフラインのシームレスな購買体験の促進を加速し、自動サブスクリプションなどを取り入れて、消費者がオンラインショッピングに留まるよう促し、定期的な配送により消費者の家庭在庫補充をサポートする必要があるでしょう。また、メーカーは、家庭での利用や調理が簡単になるような工夫をし、拡大した消費者の家庭生活が楽しくなるようサポートする必要があります。感染拡大の影響が長期化するほど、より多くの新しい習慣が浸透していきます。この状況に対して迅速に動く企業ほど、多くのビジネスチャンスを獲得できるはずです」と述べている。

 

 

緊急調査「新型コロナウイルスによる消費習慣への影響(2020年3月)」について

この記事は、欧州では、2020年3月13〜26日の間に18の市場で実施された、上記グローバル調査をもとに、調査で取り上げられている多数のテーマ(オンライン・オフラインショッピング、旅行、休暇プランなど)の一部を反映して作成されています。

調査レポートの詳細、ご購入については、ニールセン・カンパニー合同会社 jpnwebmaster@nielsen.com までお問い合わせください。

ニールセン・カンパニー合同会社では、消費者調査、ショッパー調査、販売予測、マーケティングROI分析、コンシューマーニューロサイエンス分析、海外市場情報提供などを行っています。
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