コロナウイルス禍の欧州消費行動の激変! 食品のEC化が進むイタリア、フランスと進まないドイツの理由
自宅で過ごす時間の多いヨーロッパ人、オンラインショッピングの頻度が増える可能性
欧州の多くの地域では外出禁止などの措置が取られており、消費者がスーパーマーケットを訪れる頻度は感染拡大以前と比べ減っている。先述したように、ポーランド、イタリア、フランスのショッパーは、「スーパーマーケットでの購買より、可能な場合はこれまでよりもオンラインで購入したい」としている。感染拡大以前と比較すると、欧州でのオンラインショッピングが大きく拡大したと考えられる。
感染拡大以前、実は欧州諸国の多くでオンラインショッピングの割合はそれほど高くなかった。特に食品のオンラインショッピング普及率は高くなく、西欧の消費者の5人に1人未満、東欧の消費者の10人に1人未満がこれらのサービスを利用した経験がある程度に留まっていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大によって強制的にオンラインを経験する契機になった。欧州のeコマースプラットフォームの成熟レベルがまちまちであることを考慮しても、購買習慣の変化によりオンライン販売は目覚ましい成長を遂げていると言ってよいだろう。
特に、イタリアとフランスではオンラインでの食料品購入が感染拡大の最中に急増しており、両市場ともスーパーマーケットでの購買が少なくなっていることも分かっている。一方、オンラインショッピングの選択肢をほとんど提供していないハードディスカウントが優位のドイツ市場では、店頭での買い物が引き続き優勢だ。