「顧客起点」のデータ活用で導く競争優位の戦略
 差別化を実現するための最新アプローチとは

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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小売業における効果的な活用シーンとは?

 会員分析やRFM分析からの顧客データは社内に蓄積されているが、CDPを活用することでWebやアプリなどのリアルタイムの顧客行動を紐づけることが可能になる。例えば、購買情報からみればここ数か月の来店記録はないが、Webサイトなど自社チャネルを活用して情報収集していることがアクセスログから判明した場合、それを優良顧客としてすぐに顧客とのコミュニケーション機会を持つなどのアクションを起こすことが可能になる。

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 様々な顧客関連データの蓄積→統合→活用のサイクルがもたらすのは、顧客に対する予測施策の利活用である。Arm Treasure Data CDP上で実装されている機械学習機能を用いて、ロイヤリティの高い顧客に似た動きをする顧客をスコアリングし、購買予測モデルを計算する。その上で顧客の“半歩先”を行く接客とも言えるアプリ上で顧客ごとのクーポン配信を行い、対象顧客の来店頻度や購買金額の向上を図りたいと考える小売業にとっては有効なツールと言えるだろう。

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顧客の行動様式の変化への対応が必要

 小売業にとって購買データは非常に重要な情報。その認識は小売業にとって共通だが、実際には消費者嗜好の複雑さから最大限に活用されていないのが実情だ。中長期的な視点に立てば、今後、小売業はリアル店舗だけではなく
アプリやWEBサイト、ECサイトなどオンラインでの顧客接点を広げ、そこから得られる
顧客データを統合して分析・活用する戦略が成長には不可欠になる。

 CDPはオンラインとオフラインのシームレスな顧客接点から得られる購買行動や嗜好性のデータを取得し統合することできる。そのデータを活用しパーソナライズされたカスタマージャーニーに基づいた効果的なマーケティング施策を実行できことにより、顧客LTVの向上に寄与する中長期的なインフラである。

 新型コロナウイルスの感染拡大から全国規模の緊急事態宣言の発令と解除という社会情勢の中で、生活者の意識や消費者の行動様式は変化しつつある。とくに新型コロナウイルス感染の終息が見えないなかで「with コロナ」「after コロナ」というフレーズも一般化している。小売業の顧客データ活用が、消費者とのコミュニケーションや結びつきを一層強固にする期待も高まる。顧客データを活用するマーケティングの重要性はこれからも高まっていくだろう。

 本連載シリーズでは顧客データ活用戦略の意義や利点について、次回以降、有識者の話も交えてさらに掘り下げていく。

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