ヴィンクス 先進テクノロジー・AI活用ソリューションで流通小売業の変革を支援

2025/04/21 09:00

流通業向けソリューションのノウハウを生かし次世代型CRM開発

 流通業のDXは人手不足対策や生産性向上、といった業務効率改善だけではない。顧客の買い物の利便性向上や新たな買物体験の創出という点でも、デジタルソリューションの活用が当たり前となっている。

 ヴィンクスの次世代型CRMシステム「Satisfa CRM(仮)」は、流通業向けソリューションの開発、提供で培ったノウハウを投入し、これまで実現が難しかった“商圏分析に基づく販促”や“顧客にあった品揃え”などを蓄積したノウハウと最新AI技術の融合で実現した。

 従来からの会員管理やポイント管理、販促管理に加えてAIによる分析から、“地域に在住の消費者像”や“店舗を利用している消費者像”の可視化を可能とした。AIカルテを活用して現状=自店舗のマーケットシェアを正確に把握する。そして売上/利益の向上のための施策をタイムリーに実行する。わかりやすいダッシュボードで施策の効果を確認。そこから自店舗の顧客像を可視化して品揃えや販促に反映するというPDCAサイクルを確実・高速に回していくことが可能になる。

 CRMシステムの基本機能として、多彩な販促機能を標準搭載することで新たな販促施策を短期間で実現するだけでなく、周辺サービスとのシームレスな連携や複数アカウント運用可能な統合会員管理基盤など顧客への最適なアプローチが可能な環境も提供できる。

 また、AIを活用したビッグデータの解析や生成AIによる自然言語対応での対話型サービスを活用した顧客体験の向上、プラットフォームに依存しないセキュリティレベルや処理性能、コストなどニーズに応じた最適なサービス環境を構築できるのも特徴のひとつだ。

 流通業の様々な課題を解決するためのソリューションをヴィンクスでは提供している。専門店向けのプロダクトでは、専門店に特化した基幹システムを準備しているほか、ECサイト構築パッケージ「EC-Eyes」では、小規模から大規模まで幅広いレンジで、ECサイト構築から運用までの機能を提供するなど流通業の様々な形態に対応可能なサービスを投入している。

近未来の店舗においてデジタルサイネージを活用して商品を選択できる
近未来の店舗においてデジタルサイネージを活用して商品を選択できる

 近未来の店舗を想定して、ヴィンクスのブースでは大胆な提案も見られた。それは棚ではなくデジタルサイネージに商品を“陳列”し、買物客はそこをタッチすることで商品を選択。商品は店舗内で受け取ったり、あるいは配送を依頼したりというスタイル。ECライクな買物体験を提供することで、通常なら店舗内の限られた棚スペースに配架するより多くの商品を陳列でき、店舗スペースの有効活用が可能な新たな店舗スタイルとして注目される。

低コストで導入可能な運用監視ツールを提供

 流通DXを進める中で、様々なソリューションを効率的に運用する体制も必要になってくる。既存のミドルウェアなど大手ベンダーの製品は高額であり、またクラウド版であっても高コストになることは避けられない。そこでシステム監視ツールとして実績のあるZABBIXと独自のジョブ管理ツール「LoadStar Scheduler」を用いた基幹業務運用ツールをヴィンクスでは提案している。

 ヴィンクスの「LoadStar Scheduler」ならばサーバー課金なので高額なライセンス費用から解放される上に、既存のオンプレミス環境からクラウド環境への移行も容易だ。想定されるケースでは初回移行1万5000ジョブを初心者2人が1か月で移行完了。担当業務全8万ジョブを定常業務をこなしながら2年で5万ジョブの移行が可能としており、コストダウンの効果として初期導入で最大80%、年間費用で最大65%削減が可能という。監視ツールとしてZABBIXを前提に開発されているが、他の監視ツールとの連携も可能で自社で使いやすい監視ツールを用いることもできる。すでに大手ベンダー製の運用ツールからの移行が増大しているという。

デジタル活用のベースとなる情報システム部門の業務効率化にも対応する
デジタル活用のベースとなる情報システム部門の業務効率化にも対応する

 ヴィンクスグループの4Uアプリケーションズは、POSクラウドサービスの開発・運営・提供を行う企業。POSのスペシャリストとして規模の大小を問わず様々な業種にPOSを提供している。これまでプラグイン構造のデバイスフリーのPOSを三越伊勢丹ホールディングスに提供するなど、すでに13万台以上のPOSが稼働している。

 このほかにもリテールテックJAPAN2025のヴィンクスブースでは、台湾のターンクラウド社のiPhone利用のタッチ決済システムを展示。iPhoneがあれば、簡単・スピーディにタッチ決済を始められる点をアピールしていた。

iPhoneを活用したタッチ決済システムや小売業の海外進出支援も実施している
iPhoneを活用したタッチ決済システムや小売業の海外進出支援も実施している

 流通小売業が国内の労働生産人口の減少による人手不足や人件費の高騰などの課題に直面する中、2025年は従業員の生産性向上や業務効率化に向けた取り組みでAIを活用したDXがますます加速していくだろう。流通小売業のDX推進を支援し、これまで数多くの実績を持つヴィンクスが、今回、世界の大手AIベンダーであるマイクロソフトとの連携、生成AIの技術力に強みを持つ富士ソフトとの協力もと、グループ全体の技術やノウハウを結集、推進する流通小売業向けソリューションの今後の展開に注目したい。

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