若者の“推し活”ニーズを取り込み、“使いたくなる”次世代型クレジットカードが誕生

2024/09/30 10:30
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キャッシュレス化が進み、現金以外にもクレジットカードや2次元コード決済など利用シーンに合わせてさまざまな決済手段を使い分けることが一般的になってきた。その中でもクレジットカードは、店頭決済だけでなくECサイトでの利用が普及していることで発行枚数が増加し、利用金額も大幅に増加している。一方で、利用者にとってより使いやすいクレジットカードを発行したいという事業者のニーズも高まっている。TISインテックグループのTISは、クレジットカード決済で長年バックグラウンドのシステムを担当してきた実績を生かし、若者に向けた「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」を開始した。

スマホファーストなクレジットカード

 TISが開始した「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」は、クレジットカード事業のハードルを下げ、専門店やブランドショップ、EC事業者など小規模事業者でもオリジナルのクレジットカードが発行できるサービスだ。「キャッシュレス決済比率は約4割に達し、中でもクレジットカードは全体の約8割を占める。しかし若い世代にとって、クレジットカードの入会申込や利用は面倒な面があり、相対的にクレジットカードの利用率が低い。逆に言えば、ここにビジネスチャンスがあると捉えている」(津守諭 デジタルイノベーション事業本部ペイメントサービス事業部長)と、新しいクレジットカードビジネスの可能性を示唆する。

津守諭 氏
津守諭 デジタルイノベーション事業本部ペイメントサービス事業部長

 そこで入会申込からカード利用、その利用管理まですべてスマホ上で完結できるようにした。ターゲットは「大学生から20代後半の社会人。Z世代に代表されるデジタルネイティブ世代には、スマホで完結することで利便性を訴求できる」(津守氏)と、ユーザー体験(UX)を最優先していることが特長だ。

 「ビジネスチャンスがあるといっても、事業者にとってはセキュリティや初期投資の面で自社でのクレジットカード発行は敷居が高く、会員数が少なくてもビジネスとして成り立つのかという心配がある。そこで開始したのがライト版クレジットカードプロセッシングサービスである」(津守氏)

 ライト版クレジットカードプロセッシングサービスは、スマホに特化し、紙やWEBによる申込みの仕組みなどを省くことで、低価格化を実現。そのため、10数店舗ぐらいの地域で愛されているスーパーや消費財などの自社のブランドにファンを持つ企業であれば、十分に事業として成り立つという。続いてどのようなビジネスが考えられるのか、解説してもらった。

ナッジが発行するクレジットカードは若者の“推し活”ニーズを取り込む

 ナッジはスマホネイティブなクレジットカードを提供するフィンテック企業。アーティストやスポーツ選手、店舗・施設など、150を超えるクラブが開設され、それぞれが独自のクレジットカードを発行して、それをユーザーが”推し”として選択している。クレジットカードを中心にファン・顧客のコミュニティが形成され、クラブ側にも収益が上がる。そして何より、ユーザーの7割以上が18歳以上の高校生を含むZ世代に該当し、若年層の支持を得ているサービスだ。

スポーツチームやアーティストと連携したカード
提携先は累計で150を超える

 「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」はナッジが展開するスマホネイティブな次世代クレジットカード「Nudge」のシステム基盤にTISが独自に拡張を加え、広く提供するものだ。

 「若い世代は“推し”にお金を使いたいという傾向が強い。自分の“推し”がデザインされたカードを使うことで、共感を得られたり、新たな消費を楽しんだりできる」(神﨑美央 ソーシャルイノベーション事業部クリエイティブデザイン部チーフ)と、ライト版クレジットカードプロセッシングサービスの意義を話す。

神﨑美央 氏
神﨑美央 ソーシャルイノベーション事業部クリエイティブデザイン部チーフ

 アニメのキャラクターやタレントなどだけが“推し”とは限らない。「たとえば自分の好きなビールのブランドや食品ブランドなど共感や愛着のあるブランドをカードのデザインにしたいという場合も考えられる。近年はメーカー様において消費者とのタッチポイントを増やしたいという傾向も見られるので、自社のECサイトを通じて自社商品を購入してもらうなど“推し活”してくれる顧客をターゲットにクレジットカードを発行することは親和性が高いと見ており、消費拡大も期待できるはず。小売業様に加えて、BtoCを展開するメーカー様とも取り組ませていただきたい」(同)という。

 また「自分が持っているクレジットカードも、自己表現のツールとして活用したいというニーズはあり、それをナッジは実現している」(同)と強調する。専門店など顧客の数がそれほど多くない場合でも、クレジットカードの発行に対応する。若い世代をターゲットにしたクレジットカードならば、地域の食品スーパーなどでも若者や若いファミリー層など客層の拡大につながりそうだ。

 消費構造の変化による競争激化の中で、流通業にはデータを活用した経営が求められている。クレジットカードは、自社サービスの世界観での購買体験を提供でき、新規顧客の開拓や顧客の囲い込み、カードの利用実績に基づいた顧客データの利活用も効果的に行える。TISでは、今後、「ライト版クレジットカードプロセッシングサービス」を使って新たな価値のあるクレジットカードをさまざまな事業者と創っていきたいとの考えだ。

 今回は、若者から支持を得ている「Nudgeカード」の詳細をまとめたレポートを提供する。“使いたくなる”次世代クレジットカードを活用し、是非とも貴社のファンを増やしてみてはいかがだろうか。

特別レポート

【この資料で分かること】
・次世代のクレジットカードが誕生した背景
・シンプル審査で“使いやすく” “使いたくなる”カードの特長
・若者の“推し活”ニーズに対応する「ファンカードとしての楽しさ(クラブ機能)」
・ナッジがTISを選んだ理由とは
・「Nudgeカード」の便利な機能や楽しい使い方など拡張の可能性

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