企業をDX成功に導く!流通・物流業界が注目する「モバイルターミナル」とは

2024/03/04 09:00
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DX推進は急務!流通・物流業界の課題を解決する注目の最新デバイス

 2024年3月、物流業界は今、疲弊している。原因は『ダイヤモンド・チェーンストア』の読者なら知らない人はいないだろう。まもなく適用が迫る「2024年問題※」である。近年、物流業界は人手不足が深刻化する一方、コロナ禍をきっかけにEC市場が拡大、物流量が急増した。現場は一人当たりの労働時間を増やすなどして、なんとかやりくりしている状況だ。そこに追い討ちをかけるように、今年4月から物流の根幹を担うドライバーの労働規制が始まる。

 流通・小売業界も他人事ではない。民間シンクタンク(野村総合研究所)によると、このままでは「2025年に荷物の28%が運べなくなる」と試算されている。だが、対策には多額の初期投資が必要であり、いまだ抜本的な解決には至っていない。発注した商品が店舗に届かなくなる。そんな未来が今、現実味を帯びているのだ。

 また、商品の入荷・出荷を行う物流センターでも別の課題を抱える。バーコードを読み取るハンディターミナルのリプレイス問題である。これまで主流OSを担っていたWindows CE系OSが2026年に使用期限を迎えるため(すでにサポートは終了)、Androidなどの他OS端末へ早急にリプレイスしなければならない。ここでも導入コストが重くのしかかる。

 慢性的な人手不足、長時間労働、目前に迫る2024年問題……流通・物流業界のDX推進は緊急性を増している。そこで現在、注目されているのが「モバイルターミナル」だ。人的リソースが限られる中、作業時間を大幅に短縮(残業時間を削減)するデバイスとして期待を集めている。

DX推進のイメージ

※ 物流の「2024年問題」:働き方改革関連法によりドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題の総称のこと。具体的には、ドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されることで、一人当たりの走行距離が短く(長距離で荷物が運べなく)なり、「物流の停滞」が起こると懸念されている(2019年4月1日施行。2024年3月末まで猶予、4月から適用)

Android OS搭載「モバイルターミナル」が選ばれる理由

 モバイルターミナルは、簡単に言えば、バーコードリーダーが標準装備されたAndroidスマートフォンである。先述のハンディターミナルのリプレイス端末として、今、導入する企業が増えている。
選ばれる理由は大きく3つ。多機能で、使い勝手が良く、コストを抑えられる点だろう。

1.「多機能性」
モバイルターミナルのベースはAndroidスマートフォンのため、従来のハンディターミナルと異なり、1つの端末で複数のアプリを稼働できる。そのため1台で在庫管理、ピッキングだけでなく、通話やデータ通信(SIM)、データ収集、閲覧、発注・仕入れ、納品、マッピング、シール・納品書発行など、あらゆる業務が可能となる。

2.「利便性」
海外のハンディターミナルはすでにAndroid OSが主流で実績がある。アプリ開発、インターフェイスなどにおける汎用性・拡張性は申し分なく、高性能CPU搭載で処理能力も高い。また、業務使用に耐える堅牢性、セキュリティの高さ(端末管理ツールなど)を備えたモデルが多く、UIも馴染みのあるもので扱いやすい。

3.「低コスト」
これまで業務に使用していた複数の端末機能(通話・データ通信・ハンディターミナル・タブレット・バーコードリーダー・データサーバーなど)をモバイルターミナルに一元化することで、コストを抑え、かつ業務の効率化を推進できる。

 モバイルターミナルは、ハンディターミナルの代替に留まらない。さまざまな業務に対応でき、企業のDXを大きく前進させる可能性を秘めている。リプレイスに同じコストをかけるなら、モバイルターミナルを検討しない手はないだろう。

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