【小売DX】なぜ、“スマホレジ”が客単価アップと店舗省力化のカギになるのか
小売業が価値創出するカギは、「CX」「EX」「バリューチェーン」
阿部 そうした観点からすると、消費者からも従業員からも評価されるような、小売業の目指す姿についてどのようにお考えですか。
原田 目指す姿は企業によって異なってくるでしょう。例えば健康をテーマに商品や情報の提供に力を入れる企業もあれば、徹底した価格志向のディスカウント路線を貫く企業もあります。とはいえ、姿は異なったとしても、CX、EX、そしてバリューチェーン、それぞれに最適な価値創出が必要だと我々は考えています。
阿部 10年後の小売業の姿を見据え、Brainforceは何を目指しますか。
原田 CXにおいては、また買いたくなるようなワクワク感の創出、そして購買における利便性の創出が重要だと考えています。顧客に合わせた情報やサービスを提供するパーソナライズはもちろん、消費者の健康を支援できるような仕組みも必要でしょう。EXにおいては、従業員の業務をサポートできる機能を提供したいと考えています。バリューチェーンについては、店舗を中心にしたコミュニティ形成による地域全体の活性化、また店舗だけでなくデマンドチェーンで消費者の日常をサポートすることを目指しています。
阿部 CXにおいてパーソナライズに取り組む上ではデータ分析が重要になります。
原田 データ分析については、消費者DNAと商品DNAがポイントになると思っています。分析を掘り下げていくと、新しい知見も得ることができ、販促や商品開発などさまざまな施策に生かせるようになるでしょう。
スマホ決済は、客単価アップと店舗の省力化に寄与
阿部 Brainforce は小売業に対してどのような支援に力を入れていますか。
原田 Brainforceが想定するお客様は、大手小売業様だけではなく、中小小売業様にも広げたいと思っています。小売業の現場に寄り添い、あるべき未来の姿からDXにおける課題解決を図り、デジタル活用の戦略的パートナーとして競争力のある店舗づくりを支援します。消費者一人ひとりに新たなCXを提供するとともに従業員が生き生きと働ける職場環境をつくること、そしてこのCXとEXをバランスよく向上させ、バリューチェーンの最適化を図るようなサービスを提供していきたいと考えています。
阿部 デジタル化のなかでもスマホ決済は導入メリットを得やすいのではないでしょうか。具体的にはどんなメリットが考えられますか。
原田 例えば、スマホレジの利用で消費者はレジ待ちから解放され、合計金額や購入履歴を確認しながら買い物ができるようになり、ストレスが軽減され満足度向上につながるでしょう。スマホレジ利用により客単価がアップすることもわかっています。一方、小売側にとっては、POSレジ台数見直しによるレジ対応人員や店舗運営コスト、店舗スペースの削減が期待できます。また、詳細な購買データを収集することで、さまざまなデータ分析が可能になります。
阿部 CXに加えてEXの向上にも貢献するというのは、人手不足が続くなか良い人材を確保するうえでも重要なポイントです。従業員が働きやすい環境をつくることによって接客も良くなり、それがまたCX向上につながるという好循環も期待できます。
原田 今後、我々が強化していきたいのは、従業員向けとしてネットスーパーの店内ピッキング作業やバックヤードでのパッキング作業などを効率化するためのソリューション、あるいは自社配送における配送ルートの自動化を支援するソリューションなどです。ゆくゆくは店舗でのプライスチェックや品出し、自動発注など業務効率化を支援するサービスも提供していきたいと考えています。
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