HIDランプやオートリフター(電動昇降装置)が天井に付いていたら、要注意!

2025/07/15 09:00

パナソニック株式会社では、商業施設や体育館、工場、倉庫に設置されている高天井用のHIDランプおよび併用するオートリフターの撤去、さらにLED照明器具への提案を推進している。HIDランプやオートリフターはすでに生産が終了している。そのため、耐用年限を踏まえて、注意喚起と周知徹底を図っている。省エネ効果やメンテナンスの簡素化による低コスト化の実現などのメリットがあるLED照明器具への提案をバックアップする相談窓口も用意されている。

生産終了となっているHIDランプとオートリフター

 オートリフターは、ランプ交換や器具の清掃が困難な高天井用照明器具と併せて使用することにより、器具の保守点検を地上で行うことができる昇降装置だ。この装置がないと足場を設置するためのフロアでのスペースの確保や足場設置・撤去のための費用や作業時間が必要となる。また、高所での作業になるため、安全性も問題となる。

 これらの問題を解決し、利便性に優れ、高天井の照明装置として主流となっていたオートリフターであるが、2014年9月に生産終了となっている。理由は、長寿命のLED化が推進されたため、ランプ交換の頻度が大幅に軽減されたことにある。

 同様に、オートリフターの照明として採用されていた水銀灯は2020年6月に、HIDランプは2023年に受注生産が終了し、2024年3月に生産終了となった。

 このように、現在ではオートリフターを採用した高天井用照明器具は、商品として存在していないが、パナソニックが現状把握のための視察を行った。対象は、以前からHIDランプ+オートリフターの照明器具を使用しているショッピングセンターや体育館、工場、倉庫などの施設である。その結果は、従来のまま使用されているケースが多く、同社の予想を超えるものであった。

オートリフターのタイプは、大きく2種類

オートリフターの耐用限度と撤去

 オートリフターには耐用の限度があり、設置してから8年〜10年を経過し、昇降回数が増すと、外観に異常がなくても内部の劣化が進行している可能性がある。たとえば、接点部分の劣化や、ワイヤの乱巻き・折れ・よじれ、滑車の割れ、電気部品の劣化などにより、落下や感電、火災の恐れが生じることがある。そのため、耐用限度の15年以上経過しているオートリフターは、撤去が必要となっている。

 また、オートリフターは、すでに生産が終了している。さらに、オートリフター付きのHIDランプが現状設置されている場合、LED照明器具に交換する際には、既存のオートリフターを取り外し、新たにLED照明器具を取り付けることになる。

オートリフターへのLED照明の取り付けはNG!落下などの恐れあり

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