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チリワイン市場、中高価格帯のチリワインが好調、味わいのよさで高い評価

輸入スティルワイン市場はコロナ特需の反動により2021年は前年割れとなった。そのなかで製造国別の金額シェアでは引き続きチリワインの構成比が高くなっている。チリワインのなかでも中高価格帯のワインが好調で、味わいなどの品質のよさで高く評価されている。

チリのシェアは41.7%で、依然トップをキープ

 量販市場の輸入スティルワイン(非発泡性ワイン)の原産国別販売金額において21年7月~22年6月のチリワインのシェアは41.7%で前年を0.4%下回った。微減状態が続いているものの、依然として40%を超える高いシェアをキープしている。2位のフランスのシェアは19.9%で、前年の0.2%増、3位のスペインは12.6%で前年の1%増、4位のイタリアは10.2%で前年の0.4%増となった。19年に欧州EPAが発効され、欧州産ワインが値下げされたことで欧州産ワインの需要増につながっている。19年以降、フランスやスペインがシェアを上げているとはいえ、コスパの高さや品種の多さなどを理由にユーザーから支持されているチリワインは、輸入スティルワインでの存在感は大きいといえそうだ。

チリワインは「安くておいしい」というイメージがあり、500円前後が主流になっているが、世界的には価格以上の価値が認められている。(i-stock/Brycia James)

 チリワインは「安くておいしい」というイメージがあり、500円前後が主流になっているが、世界的には価格以上の価値が認められている。とくに味覚満足度の高さでユーザーから支持されているのが「フロンテラ」ブランド。リーズナブルな価格でありながら、単一品種でつくられているアイテムが多く、品種による味わいが楽しめるのが魅力だ。

 チリワインの間口を拡大する役割を担っている「フロンテラ」は、積極的にトライしてもらうため、商品特徴をわかりやすく、味わいをシンプルに伝える首かけPOPを活用して店頭で訴求する。また、グラミー賞オフィシャルワインパートナーに選定されたことを受け、グラミー賞タイアップキャンペーン第2弾を9月から実施する。

1000円以上のチリワインが年々シェアを拡大

 ワイン市場がダウントレンドのなか、日常のちょっとした贅沢が味わえるプレミアムワインが好調だ。1000円以上のチリワインフルボトルの販売金額シェアをみると、19年7月~20年6月のシェアが11.6%なのに対し、21年7月~22年6月には12.3%までシェアが上昇している。価格だけではなく品質も高いワイン産地であることが徐々に認知され始めているようだ。

 この中高価格帯で人気なのが「カッシェロ・デル・ディアブロ」。高品質な味わいは世界中でトップレベルの評価を獲得しており、日本でも認知、トライアル率、リピート率ともに拡大している。22年1~6月の家庭用市場でも好調に推移している。

 「ディアブロ」の認知を広げているのが、SNSを活用した「悪魔捕獲大作戦」キャンペーン。興味を喚起する企画としてトライアルユーザーを獲得し、購買を促進する取り組みでリピート購入につなげている。今年の10~11月も同企画の第2弾を実施し、さらなるファン獲得を図る。

 チリワインは安くておいしいだけでなく、品質の高さでも世界的に評価されていることから、店頭でその魅力を伝えることでその活性化につながることは間違いなさそうだ。