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スパイス&ハーブ市場、家庭での使用機会の増加でスパイス市場は拡大傾向

長期的に成長を遂げてきたスパイス&ハーブ市場。それに加え、コロナ禍における家庭内食化が追い風となり市場はさらに拡大した。複数のスパイスを使った料理に挑戦する人が増えたことで、引き続き堅調に推移することが期待されている。

内食化傾向により家庭にスパイスが浸透

 KSP-POSデータによると、スパイスの期間通算(2023年6月~24年5月)の金額PIは、6632円で対前年同期比5.1%増、数量PIは40.10で同4.7%減。コロナ禍における家庭内食化に加え、スパイスカレーブームによりスパイス市場は拡大したが、その反動で市場は縮小傾向だ。ただ23年は価格改定の影響もあり、数量ベースでは前年割れとなったが金額ベースでは微増となった。スパイスを使った料理が家庭に浸透したことで、コロナ以前と比べて高い水準で推移している。

複数のスパイスを使った料理に挑戦する人が増えたことで、引き続き堅調に推移することが期待されている(写真はイメージ、istock/monticelllo)

 カテゴリー別にみると、練りスパイスの期間通算の金額PIは3320円で同7.6%増。練りスパイスは、その利便性と保存性のよさから生鮮素材からの代替がすすんでいる。大容量タイプの「お徳用シリーズ」の価格改定効果のほか、WEB CMなどでチューブ調味料の使い方を継続的に提案してきたエスビー食品は堅調に推移。同社ではチューブ調味料を活用して食を楽しむことを「チューバースタイル」としてブランドサイトで楽しみ方を提案している。

洋風スパイス・シーズニングともに金額PIは堅調に推移

 洋風スパイスの期間通算の金額PIは832円で対前年同期比8.3%増。近年のスパイスカレーブームを受けて、コリアンダーやターメリック、ナツメグ、クミンなどカレーによく使われるスパイスが人気となっている。ただ一方で、瓶タイプのような従来の洋風スパイスは使いきれずに余らせてしまう、使い方がわからない、といった声が多い。

 そこでエスビー食品では今年3月に利便性に優れた洋風スパイスブランド「スティックスパイス」を新発売。スティック1本につき小さじ1杯分で計量不要かつ、個包装なのでいつでも開封したてのスパイスの香りが楽しめるスティックタイプのスパイスだ。使い切れる便利なスパイスの提案で、余らせてしまう不安を解消し、新しいスパイスに挑戦することもできそうだ。同社では「スティックスパイス」で新たなユーザーを獲得する。

 一方、スパイスやハーブ、塩などをブレンドしたシーズニングの期間通算の金額PIは427円で同4.5%増。時短や簡便調理、豊富なバリエーションで、ユーザーの悩みを解消するメニュー専用シーズニングは堅調に拡大している。毎日の献立を考えることに疲れた人からも人気だ。エスビー食品では今年の春に、世界で定番となっているスパイスの味わいが手軽に楽しめる「ワールドシーズニング」シリーズを発売。かけるだけで海外旅行気分が味わえる。

 ハウス食品では、メーン食材から副菜、おつまみまで幅広いメニューが揃った「スパイスクッキング」や、アジアの屋台のメニューがつくれる「アジアン屋台街」、家飲みのおつまみに「スパイスクッキングバルメニュー」、簡単な下処理をして電子レンジで加熱するだけの「らくチン DELI」、にんにく料理の素「にんにく族」、トーストシーズニング「パパン」などを展開している。

 メニュー専用シーズニングは手軽にスパイスに挑戦できるため、スパイス初心者の入口となっており、今後も拡大することが予想されている。