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揚げなくても天ぷらを楽しめる!? 昭和産業、天ぷらの常識を覆す新商品とは

天ぷらは、世界でも絶大な人気を誇る代表的な日本料理の1つ。ただ、天ぷらには、油の価格高騰、調理後の油の処理といった難点があり、家庭で調理するにはややハードルがある。これらの悩みを解決し、家庭でも簡単に天ぷらを楽しめる新商品が9月1日より発売される。昭和産業(東京都)の「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」だ。同商品は家庭料理の天ぷらにどのような変革をもたらすのだろうか。

揚げてないのに揚げたての食感!

 天ぷらは高い需要があるものの、自宅で調理する際にはキッチンの汚れ、調理の手間、調理後の油の処理などの面倒さがつきまとう。そうした天ぷらの問題を一挙に解消する画期的な新商品が、昭和産業の「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」だ。

 同商品のキャッチコピーは「少ない油で調理簡単!!」。最大の特徴は、商品名にもあるとおり、天ぷらなのに揚げないで調理できるという点だ。調理方法は、具材に衣をつけて、フライパンに大さじ3杯程度の油を入れて“焼く”だけで、天ぷらが完成する。通常の天ぷらのようなザクザクとした揚げたての食感も感じ取ることができるのも特徴の1つ。

 昭和産業の社員24人を対象に、同商品でつくったさつまいもの天ぷらを食べてもらったうえで、「天ぷららしさを感じますか」と尋ねたところ、約96%(24人中23人)が「天ぷららしさ」を「感じる」と回答実感したという。社内アンケートということを差し引いても、同商品の特徴である天ぷらのザクザク食感は十分に表現されていると言っていいだろう。

 調理後の油は、キッチンペーパーで拭き取るだけで簡単に処理することができるため、面倒だった油の処理からも解放される。「天ぷらを食べたいものの、調理や後処理が大変で、総菜や冷凍食品、テイクアウトに頼っていた」という人にうってつけの商品だ。

商品パッケージ

 商品パッケージには、商品名だけでなく、「フライパンで焼くだけ!」「少ない油でザクザク食感!」「油はふき取るだけ 片付け簡単!」と商品の3つの特徴が一目でわかるように記されている。黄色を基調としたインパクトのあるデザインは食品スーパーの店頭でも目立つことが期待される。

家庭調理でおいしい天ぷらを!

 世界で初めて天ぷら粉を発売したことで知られる昭和産業。天ぷら粉の開発技術が進歩により、天ぷら調理の不便さを解決することをめざし、「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」は開発された。

 開発担当者は「開発では、『少ない油でも調理できる』という点にこだわり、何度も天ぷら粉の配合を試作・検討した。同商品はフライパンだけでなく、ホットプレートでも調理可能。具材は従来の天ぷらと同じで、かき揚げも調理できる」と話す。

フライパンで実際に調理している様子

 天ぷら粉の市場規模は現在、約70億円(出典:富士経済「2022食品マーケティング便覧、販売額」より)といわれている。家庭で食べられる天ぷらの内訳は、「手作り」が43.7 %、「惣菜」が35.4%、「冷凍」が20.8%となっており、「手作り」は直近5年間横ばい傾向が続いている(出典:ライフスケープマーケティング「食マップ2021」より)。

 天ぷらを家庭で食べない理由を尋ねた調査では、「調理後の油の処理が面倒」が最も多く70%を占め、「手間がかかる」(64%)、「キッチンが汚れる」(50%)、「美味しく作れない」(40%)、「少量だけ作るのが大変」(39%)と続く(出典:キューベックス「天ぷら(粉)に関する実態調査2018年」を昭和産業が編集)

 昭和産業の営業担当者は「同商品の販売では、従来の取引先を重視しながら、EC販売にターゲットを絞ったSNS活用の販売戦略も計画している。秋から冬までの短期の販売目標を掲げ、消費者の支持をどこまで得られるか、様子を見ながら次の戦略を考えていきたい」と話している。