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ライフスタイル変化に対応した「2023年鍋スタイル」のトレンドを探る

秋冬の重点マーケットとなる鍋商戦。「気温」「旬商材の出回り」「季節イベント」などを考慮した週別の鍋の展開計画づくりが求められる。2023年計画立案のポイントは、ライフスタイル変化により、「鍋スタイル」が進化していることを組み込んだ計画が必要となる。「タイパ」重視のライフスタイルの中で、消費者が今晩のメニューに鍋を選択するための「鍋スタイルのトレンド」を探って行く。

「タイパ」重視の2023年鍋シーン

 コロナ禍を経て、変化したライフスタイルのひとつに「鍋の食卓シーン」があげられる。寒い時期の代表的メニューであった鍋。週末にはカセットコンロの上に土鍋をのせて、家族で鍋を囲むというシーンを想定したプロモーションを小売各社で展開してきた。しかし、コロナ禍で内食率が上昇。当然、鍋の実施率も高まり、その都度カセットコンロと重い土鍋を取り出してテーブルまで運び、食べ終わったら鍋を洗って片付ける「準備&後片付け」の作業負担が増加。これにより、台所のコンロで調理した鍋をテーブルに運んで家族で囲むパターンや、台所で取り分けて器に盛りつける「おかず鍋」が定着し始めた。台所調理により土鍋に替わって調理鍋や深型のフライパンを使うケースも増え、従来の鍋スタイルから大きく変化を始めている。

 これらは「タイパ」重視のライフスタイルで、2023年の鍋シーンにも多く登場するはずだ。

調理した鍋をテーブルに運んで家族で囲むパターンや、台所で取り分けて器に盛りつける「おかず鍋」が定着し始めている(i-stock/Promo_Link)

ライフスタイル変化に合わせたピーク対応を!

 鍋シーズンのマーケットチャンスは、4つのタイミングがあると言われている。重要なのはそれぞれのタイミングで、「気温」「食卓シーン」「鍋の具材」「鍋に決定の理由」などを想定したうえで鍋メニューを決めていかなければ「消費者が食べたいタイミングでの鍋」にはならない。

 シーズンを通して寄せ鍋は定番の鍋として出現率上位に位置する。しかし、毎回同じ商材を土鍋で煮込んでいるだけのシーン訴求では、「消費者が求めている食べ方(楽しみ方)」と乖離してしまう。たとえばクリスマスのタイミングで寄せ鍋を提案するなら、思い切って具材を変え、器を変え、バケット+ワインで楽しみたくなる鍋提案にすべきである。

 4回ある各マーケットチャンスのポイントを列記すると――

鍋開き~10月中旬
今年の鍋つゆラインアップ訴求
旬の鍋食材拡販~11月下旬
具材単価アップをねらった鍋メニュー
鍋の最大ピーク~年末年始
集いのシーンでの「ごちそう鍋」
節約志向と厳寒期対応~2月上旬
コスパ材料&鍋バリエーション拡大

 仕掛けるタイミングに合わせて「この時期にどんな鍋の食べ方をしているのか」をライフスタイル変化も考慮して対応していかなければ、「ズレ」が生じてしまうため注意が必要だ。